写真撮影において「白飛び」は多くの人が直面するトラブルの一つです。風景写真、人物写真、スマホ撮影でも起きやすく、せっかくの写真が台無しになることもあります。本記事では「白飛びとは何か」という基本から、原因、発生しやすい環境、カメラやスマホでの対策、RAW現像による修正方法まで、体系的に詳しく解説します。

1. 白飛びとは

1-1. 白飛びの基本的な意味

白飛び(しろとび)とは、写真の明るい部分に光が多く当たりすぎ、**データとして記録できる明るさの上限を超えてしまった状態**を指します。 画像ではその部分が真っ白になり、**細部や質感が完全に失われてしまう**のが白飛びの特徴です。
デジタルカメラやスマホカメラは、明るさを0~255の階調で記録しますが、最大値255を超える光が入ると階調が失われ、
「まっさらな白い面」になってしまう
という現象が発生します。

1-2. 白飛びと黒つぶれの違い

白飛びの反対に「黒つぶれ」があります。
白飛び:明るすぎて真っ白になる状態(情報喪失)
黒つぶれ:暗すぎて真っ黒になる状態(情報喪失)
どちらも写真の情報が失われるため、撮影時には両方を避けることが重要です。

1-3. 白飛びはなぜ問題なのか

白飛びが嫌われる理由は、 - 被写体の質感が消える - 空や光の表情がなくなる - 人物の肌がのっぺり見える - 修復が非常に困難になる といった問題があるためです。
特に人物撮影では肌が白飛びすると、自然で魅力的な印象が失われてしまいます。

2. 白飛びが起きる原因

2-1. 過剰な光量(露出オーバー)

もっとも一般的な原因が、**露出オーバー**です。 センサーに入る光が多すぎると、記録可能な上限を超えて白飛びします。
露出オーバーにつながる要素は以下の通りです。
シャッタースピードが遅い
絞りが開きすぎている(F値が低い)
ISO感度が高すぎる
露出補正がプラスになっている
撮影者が意図せず露出オーバーになっているケースも多くあります。

2-2. 強い光源が画面内にある

太陽、照明、反射したガラスなど、**極端に強い光源**が画面内に入ると白飛びしやすくなります。 とくに昼間に逆光で撮影すると、背景が真っ白に飛びがちです。

2-3. 明暗差が大きいシーン(ダイナミックレンジ不足)

カメラのセンサーは明るさの幅を記録できる限界=ダイナミックレンジがあります。 明暗差が大きい場面では限界を超えやすく、白飛びが発生します。
例:
窓の外が明るい室内写真
日陰にいる人物の後ろが明るい景色
真夏の白い砂浜
夜景と街灯
人間の目よりもカメラのダイナミックレンジは狭いため、見た目では問題なくても写真では白飛びします。

2-4. オート撮影時のカメラの判断ミス

スマホやデジカメのオートモードは、シーンによって露出判断を間違える場合があります。
白い服 → 明るさを正しく判断できず白飛び
逆光 → 顔を明るくしようとして背景が白飛び
HDRが機能しない状況 → 明暗差に弱い
オート任せでは白飛びを完全に防げないのが現実です。

3. 白飛びが起きやすいシーンとは

3-1. 晴天の日中の屋外

特に以下の状況で白飛びが多発します。
白い雲
白い服
海辺・砂浜
道路の反射
ガラスや水面の反射
日中の太陽光は非常に強いため、露出オーバーになりやすい環境です。

3-2. 逆光の人物撮影

逆光では背景が明るく、人物が暗くなります。 このときオートモードでは人物を明るく写そうと補正が入り、背景が白飛びすることがあります。

3-3. 夜景やイルミネーション

暗い背景に強い光源があるため、点光源が白飛びしやすくなります。 特にスマホではセンサー性能の限界が出やすい場面です。

3-4. 室内での照明や窓際撮影

室内ライトが強いと白飛びの原因になります。 また、窓の外が明るい場合は白飛びしやすい典型的な環境です。

4. 白飛びを防ぐための撮影設定

4-1. 露出補正をマイナスにする

白飛び対策として最も簡単で効果的なのは、**露出補正を-0.3~-1.0EVにする**ことです。 背景が明るいシーンでは特に有効です。

4-2. ISO感度を下げる

ISOが高いほど白飛びしやすくなります。 可能であれば - ISO100 - ISO200 程度に設定すると安全です。

4-3. 絞りを絞る(F値を大きくする)

F2.8 → F5.6 → F8 と絞るほど光量が減り、白飛びのリスクが下がります。

4-4. シャッタースピードを速くする

動きの少ない被写体であれば、シャッタースピードを速くして光を抑えることができます。 1/100 → 1/250 → 1/500 と速めると白飛び対策になります。

4-5. スマホでのAEロックを使う

スマホカメラでは、 - 明るい部分をタップして露出を下げる - AE/AFロックを使う といった方法で白飛びを防げます。

4-6. NDフィルターを使う(カメラ)

晴天の屋外ではNDフィルターを使うことで光量を減らせます。 海、山、街並みなど、光が強い場所で役立つアイテムです。

5. 白飛びを防ぐ撮影の工夫

5-1. 逆光では「半逆光」を利用する

真正面の逆光は白飛びしやすいため、被写体の斜め後ろから光が当たる「半逆光」を利用すると自然な明るさが保てます。

5-2. 背景を変える・位置を少し動かす

少し歩くだけで白飛びが改善する場合があります。
例:
背景に白い壁 → 背景を木陰に変更
直射日光 → 日陰へ移動
光の当たり方を変えるだけで白飛びが減少します。

5-3. 逆光時はレフ板やスマホの反射を使う

人物撮影では、顔に光を当てるためにレフ板を使うと露出調整がしやすくなります。 手持ちの白い紙やスマホの背面でも代用できます。

5-4. HDR機能をオンにする

スマホ・カメラのHDR(ハイダイナミックレンジ)をオンにすると、明るい部分と暗い部分をバランスよく記録できます。

6. 白飛びした写真を修正する方法

6-1. RAW現像でハイライトを下げる

カメラ撮影ならRAWデータが残っていれば、 - ハイライトを下げる - 露光量を下げる - 白レベルを調整 といった操作で白飛びが目立たなくなることがあります。
RAWは明暗情報が多く残っているため修正の余地が大きいです。

6-2. JPEGでは修正が困難

JPEGでは白飛びした部分はデータが失われているため、完全に復元することはほぼ不可能です。 白飛び予防が重要と言われる理由はここにあります。

6-3. 写真編集アプリで部分補正する

スマホアプリでも、 - ハイライト - 白レベル - 部分補正 などを使って改善できます。 Lightroom、Snapseedなどが代表的です。

7. 白飛びと写真表現

7-1. あえて白飛びを使う表現

白飛びは一般には失敗とされますが、表現としてあえて使うこともあります。
例:
逆光でふんわりした写真を撮る
明るい雰囲気、夢のような世界を演出
ウエディング写真のハイキー表現
意図的に使う白飛びは「ハイキー」として写真表現の一つになります。

7-2. 白飛びとハイキーの違い

- ハイキー:明るいが階調が残っている - 白飛び:明るくて情報が消えている
ハイキーは調整された明るさ、白飛びは失われた明るさという違いがあります。

7-3. 白飛びを避けるか活かすかの判断基準

- 人物の肌 → 階調が必要 → 白飛びNG - ふんわり表現 → 白飛びOK - 商品撮影 → 白飛びNG - アート表現 → 白飛びOK
撮影の目的によって使い分けることが大切です。

8. スマホでの白飛び対策

8-1. 画面をタップして露出を調整

スマホで撮影する際は、明るい部分をタップすると露出が下がり、白飛びを防げます。

8-2. HDRを常にオンにする

最近のスマホはHDR機能が優秀で、白飛びと黒つぶれを同時に軽減できます。

8-3. ナイトモードやポートレートモードも有効

ナイトモードは暗部ノイズを抑えつつ白飛びも抑制します。 ポートレートモードは背景をぼかしつつ光の調整を行うため、人物撮影時に役立ちます。

9. 白飛びについてのよくある質問

9-1. 白飛びは完全に防げる?

完全に防ぐことは難しいですが、設定を理解すれば大幅に減らせます。

9-2. 白飛びしても修正できる?

RAWデータなら可能な場合が多いですが、JPEGではほとんど修正できません。

9-3. スマホではどうすればいい?

露出調整とHDRを使うことでかなり改善されます。

10. まとめ

白飛びとは、明るさが上限を超え、写真の情報が失われてしまう現象です。 露出オーバー、強い光源、明暗差の大きい場面などで起きやすく、撮影時の設定や光の読み方が重要になります。
白飛び対策のポイントは以下の通りです。
露出補正をマイナスにする
ISOを下げる
絞りを絞る
HDRを使う
明るい場所を避ける
RAWで撮る
撮影位置を工夫する
白飛びを正しく理解すれば、写真の質が劇的に向上します。
自然な明るさを保ちながら、より豊かな表現を楽しめるようになるでしょう。

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