地山は、建設や土木工事の現場でよく使われる専門用語で、地下の自然の土や岩盤を指します。地盤の強さや性質を理解することは、建物や構造物の安全性に直結する重要なポイントです。本記事では、地山の意味や種類、特徴、施工上の注意点、活用方法について詳しく解説します。

1 地山の基本的な意味

地山とは、土木工事や建築工事において掘削対象となる地下の自然の土や岩盤を指します。人工的に補強されていない状態の地盤を示し、施工計画を立てる際の基準となる重要な概念です。地山の性質を正確に把握することは、安全で効率的な工事に欠かせません。

1-1 地山と軟弱地盤の違い

- 地山: 自然の岩盤や堅固な土壌で、構造物を支える基盤となる - 軟弱地盤: 砂質土や粘土など、施工や支持力に工夫が必要な土壌

1-2 地山の定義の重要性

- 掘削深度や擁壁設計の基準になる - 地盤改良や補強の必要性を判断する指標になる

2 地山の種類と特徴

地山は主に土質系と岩質系に分類され、それぞれ特性が異なります。

2-1 土質系地山

- 粘土、砂、礫などからなる - 湿気や水分の影響を受けやすく、施工時に注意が必要 - 軟らかい場合は支保工や盛土による補強が必要

2-2 岩質系地山

- 花崗岩、安山岩、石灰岩などの堅固な岩盤 - 掘削は困難だが、支持力は高く構造物の基礎に適している - 爆破や削岩機を用いる場合がある

2-3 混合地山

- 土質と岩質が混在する場合 - 部分的に軟弱な層が存在することもあり、施工計画の精密さが求められる

3 地山の特性と施工上の影響

3-1 強度と安定性

- 地山の硬さや締まり具合で掘削方法や支保工の必要性が変わる - 強固な地山は擁壁や基礎の支持力に有利

3-2 水分や地下水の影響

- 湿潤地山は掘削時の崩壊や滑動のリスクが高い - 排水や排水工を計画して施工の安全性を確保する

3-3 地山の掘削性

- 土質系は比較的掘削しやすいが崩れやすい - 岩質系は硬く掘削に時間がかかるが安定性が高い

4 地山の評価方法

4-1 現地調査

- ボーリング調査や試掘により、土質・岩質を判定 - 地山の層厚や傾斜も測定する

4-2 土質試験

- 圧縮試験、剪断試験、透水試験などで強度や水分影響を評価 - 設計に必要な地盤パラメータを算出

4-3 地山分類基準

- 土質や岩質の性質によって施工上の難易度を分類 - 軟弱地山、普通地山、堅固地山などの区分がある

5 地山を活用した施工のポイント

5-1 掘削方法の選択

- 土質系はショベルやバックホウによる掘削が中心 - 岩質系は削岩機や爆破工法を使用

5-2 支保工や補強工の設計

- 地山の安定性に応じて、土留めや擁壁を設置 - 軟弱地山では鋼管杭や補強土壁を検討

5-3 安全管理の重要性

- 掘削中の地山崩壊や土砂流出のリスク管理 - 現場での監視や地盤改良の適用

6 まとめ

地山とは、土木・建築工事における地下の自然の土や岩盤を指す重要な概念です。種類や特性を正確に理解することで、施工計画の精度を高め、安全かつ効率的な工事が可能になります。土質系や岩質系の違い、水分や地下水の影響、地山の強度評価を踏まえて、適切な掘削方法や支保工を選定することが、建物や構造物の安全性を確保する鍵となります。

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