「その上で」という表現は文章や会話で頻繁に使われますが、意味や適切な言い換えを正確に理解している人は意外と少ないです。本記事では「その上で」の基本的な意味、使い方、言い換え表現、ビジネスや日常での活用例を詳しく解説します。

1. 「その上で」とは何か

1-1. 基本的な意味

「その上で」とは、前提や条件を確認したうえで次の行動や意見を述べるときに使われる接続表現です。英語でいうと on that basis や after that などに近いニュアンスがあります。

例えば「内容を確認したその上で、意見を述べます」のように使うと、「まず内容を確認した」という前提のうえで次の行動があることを強調できます。

1-2. 文法的な役割

「その上で」は接続詞的な役割を持ち、前後の文を論理的に結びつける役割があります。文章をより明確にするために用いられ、特にビジネス文書や報告書で多用されます。

2. 「その上で」の使い方

2-1. ビジネス文書での使用例

「資料を精査したその上で、改善案を提出します」
「現状を把握したその上で、次の戦略を考えます」

このように、前提条件を確認したうえで次の行動を示すときに使われます。

2-2. 日常会話での使用例

「話を聞いたその上で、判断させてください」
「説明を受けたその上で、決めます」

日常会話でも、前提を踏まえて次の行動や意見を述べるときに自然に使えます。

2-3. 書き言葉での注意点

口語では「それを踏まえて」や「そのうえで」と言い換えられることがあります。ただし文書や報告書では「その上で」がフォーマルで適切です。

3. 「その上で」の言い換え表現

3-1. それを踏まえて

「その上で」と意味が近く、前提条件を意識するニュアンスが強い表現です。
例:「報告内容を確認したそれを踏まえて、次の対応を決定します」

3-2. そのうえで

漢字表記の「その上で」と同じ意味ですが、ひらがな表記にすることで柔らかい印象になります。口語や会話で使いやすい表現です。
例:「説明を聞いたそのうえで、判断します」

3-3. 以上を踏まえて

文章や報告書でよく使われる表現で、複数の前提や情報を整理したうえで次の行動を示すニュアンスがあります。
例:「調査結果を以上を踏まえて、改善策を検討します」

3-4. それを前提として

より論理的な印象を与えたいときに使われます。条件や事実を前提に次の行動を述べる際に適しています。
例:「条件を確認したそれを前提として、契約内容を決定します」

4. 類義語との微妙なニュアンスの違い

4-1. その上で vs それを踏まえて

「それを踏まえて」は、過去の事実や情報に基づくニュアンスが強く、より客観的な印象があります。「その上で」はやや行動や判断の主体が前に出る印象です。

4-2. その上で vs 以上を踏まえて

「以上を踏まえて」は文章全体のまとめとして使われることが多く、複数の情報を整理したうえで次に進む場合に適しています。「その上で」は単一の前提条件に対して使われやすいです。

4-3. その上で vs それを前提として

「それを前提として」はやや堅い印象を与える表現です。契約書や規約、ビジネス文書で使う場合に適しています。「その上で」は比較的柔らかく、日常的にも使える表現です。

5. 英語での「その上で」の表現

5-1. on that basis

「その上で」の直訳に近い表現で、前提を明示して次の行動や結論を述べる際に使えます。

5-2. after that

時間的な順序を示す場合に使われ、口語的に「その上で」と似たニュアンスで利用できます。

5-3. taking that into account

情報や条件を踏まえて判断するというニュアンスを伝えたい場合に適しています。

6. 「その上で」を使うときの注意点

6-1. 前提が明確であること

「その上で」を使う場合は、前提や条件が明確であることが前提です。曖昧な状況で使うと誤解を招く可能性があります。

6-2. 文脈に応じた言い換えを意識する

フォーマルな文章では「以上を踏まえて」「それを前提として」を使う方が適切な場合があります。日常会話では「そのうえで」や「それを踏まえて」で十分です。

6-3. 多用を避ける

文章内で「その上で」を繰り返し使うと単調になるため、類語を交えて文章を豊かにすることが重要です。

7. まとめ

「その上で」とは、前提や条件を踏まえたうえで次の行動や判断を示す表現です。日常会話からビジネス文書まで幅広く使われ、状況に応じて「それを踏まえて」「そのうえで」「以上を踏まえて」と言い換えることが可能です。英語では on that basis や taking that into account などで表現できます。前提を明確にし、文脈に合った言い換えを意識することで、より論理的で自然な文章や会話が可能になります。

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