「論点」という言葉は、会議やレポート、ディスカッションなどで頻繁に使われますが、正確な意味を理解して使っている人は意外と少ないかもしれません。この記事では、「論点」とは何か、その正しい意味と使い方、整理・設定の方法まで詳しく解説します。

1. 論点の意味とは?

1-1. 論点の基本的な定義

論点とは、議論や検討を行う際の中心的な話題や争点を指します。つまり、何について話し合うのか、どこに意見の違いがあるのかという「焦点」のようなものです。

1-2. 「論点」の語源と構成

「論」は「議論」「論じる」などの通り、意見を述べること。「点」は「要点」「ポイント」という意味があり、合わせて「議論の中心点」「検討すべき事柄」となります。

2. 論点の使い方と例文

2-1. 一般的な使い方

・この議論の**論点**は、コストと安全性のどちらを優先すべきかという点だ。 ・あなたの主張は論点がずれている。 ・まずは論点を整理してから話し合いましょう。

2-2. 論点が重要な場面

- 会議やプレゼンテーション - 小論文やレポートの構成 - グループディスカッション(GD) - 意見の対立を解消する場面

3. 論点の整理方法

3-1. 事実と意見を分ける

論点を整理するためには、まず事実と意見を切り分ける必要があります。たとえば「売上が減っている」というのは事実で、「価格が高いからだ」というのは意見です。意見の背景にある前提を整理することで、論点が明確になります。

3-2. WHY(なぜ)を問うことで論点を抽出する

「なぜこの問題が起きているのか?」「なぜこの解決策が適切なのか?」と問いかけることで、複数ある事象の中から本質的な論点を見つけ出すことができます。

3-3. MECEで網羅性を確保する

論点が重複していたり抜けがあると、議論は不完全になります。MECE(Mutually Exclusive, Collectively Exhaustive:漏れなく、ダブりなく)という考え方で整理することで、全体像をつかみやすくなります。

4. 論点がずれる原因と防止策

4-1. 感情や個人的体験に流される

議論中に感情的になると、本来の論点から話が逸れてしまいがちです。「論点=何について考えるべきか」に常に立ち返る姿勢が重要です。

4-2. 複数のテーマが混在している

たとえば「価格」と「品質」を同時に議論すると、それぞれの論点が混ざってしまいます。論点はできるだけシンプルに、ひとつずつ分けて扱いましょう。

4-3. 誤解や定義の不一致

「論点とは何か」の認識がメンバー間でずれていると、話がかみ合いません。冒頭で用語の定義を共有することが、論点の明確化に役立ちます。

5. 論点設定のコツ

5-1. 問いの形にする

論点を「〜すべきか」「〜が適切か」という疑問形にすると、議論しやすくなります。例:「リモートワークを恒久化すべきか?」

5-2. 前提条件を明示する

論点を設定する際には、「誰にとって」「どのような条件下で」といった前提を明確にすると、議論がブレにくくなります。

5-3. 複数の視点から考える

論点は一つに限らず、立場や利害関係によって変わります。ユーザー目線、経営者目線、法的観点など、視点を変えて設定することで、より多角的な議論が可能になります。

6. まとめ:論点は議論の羅針盤

論点とは、議論や思考を進めるうえでの「中心軸」です。これを明確にすることで、議論は無駄なく深まり、他者との対話も建設的になります。まずは「今、何について話しているのか?」という問いを常に持ちながら、論点を整理する習慣を身につけてみましょう。論点を意識することは、論理的な思考力の第一歩です。

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