就職活動や転職活動において、「面接を受けさせていただく」という表現はよく使われます。しかし、敬語として正しいのか、どの場面でどのように使えば失礼にならないのか不安に思う方も多いでしょう。本記事では、この表現の意味と使い方、言い換えの選択肢、メールや履歴書での使用例、注意点について詳しく解説します。

1. 「面接を受けさせていただく」の意味と構成

1. 敬語の構造

「受けさせていただく」は、動詞「受ける」に「〜させていただく」がついた謙譲表現です。自分の行動をへりくだって、相手の好意や許可を前提にして成り立っています。

2. 使う場面

・応募先企業に対して謙虚な姿勢を示すとき
・面接日確定後の返信メール
・面接のお願いをする文章
・履歴書やエントリーシートにおける志望動機の中での使用

2. 自然で丁寧な使用例

1. 面接前のメール

例:「このたびは面接の機会を賜り、誠にありがとうございます。〇月〇日〇時より、面接を受けさせていただきます。」

2. 面接日時調整の際

例:「ご指定いただきました日程にて、面接を受けさせていただきたく存じます。」

3. 志望動機・挨拶文内で

例:「貴社の業務内容に強い関心があり、ぜひ面接を受けさせていただければと存じます。」

4. 面接後の御礼メールで回顧的に

例:「本日は面接を受けさせていただき、誠にありがとうございました。」

3. 言い換え表現とニュアンスの違い

1. 面接をお受けいたします

よりかしこまった表現で、企業からのオファーを受けた形に近くなります。
例:「貴社からのご案内を受け、面接をお受けいたします。」

2. 面接に伺います

訪問のニュアンスが強く、対面面接に適した表現。
例:「〇日〇時に面接に伺わせていただきます。」

3. 面接をお願い申し上げます

応募時の控えめな申し出として使いやすい表現。
例:「ぜひ面接の機会をお願い申し上げます。」

4. 面接にご対応いただきありがとうございます

企業側の時間・対応への感謝を表すときに。
例:「本日はご多用の中、面接にご対応いただきありがとうございました。」

4. ビジネスメールでの活用例

1. 面接日程確定の返信メール

件名:【面接日程確定のご返信】〇〇の件
本文:
〇〇株式会社 採用ご担当者様
お世話になっております。
このたびは面接の機会をいただき、誠にありがとうございます。
ご案内いただいた〇月〇日(〇)〇時より、面接を受けさせていただきます。
当日は何卒よろしくお願い申し上げます。

2. 応募時のエントリーメール

件名:【応募書類送付の件】〇〇職への応募
本文:
〇〇株式会社 採用ご担当者様
このたびは〇〇職の募集に応募いたしたく、ご連絡差し上げました。
書類をご確認のうえ、もし面接の機会をいただけましたら、ぜひ受けさせていただければと存じます。
何卒よろしくお願い申し上げます。

5. 使用時の注意点

1. 「させていただく」の乱用に注意

丁寧にしようとするあまり、「〇〇させていただく」を多用すると、くどくなりやすくなります。文全体のバランスを見ながら使用することが大切です。

2. 実際に許可が前提であるかを確認

「〜させていただく」は、相手の許可や配慮が前提となる言い回しです。その場の文脈に合っているかを見極めて使用しましょう。

3. 適切な動作表現と組み合わせる

「受ける」「伺う」「お越しになる」など、動詞の敬語の種類も意識して、主語と敬意の対象を正確に使い分けましょう。

まとめ

「面接を受けさせていただく」は、相手への敬意を込めて自分が面接を受ける立場であることを丁寧に表す謙譲表現です。ビジネスメールや応募書類、挨拶文などで広く使用されますが、「させていただく」の使いすぎに注意しながら、文脈に応じた表現に言い換えることで、自然で礼儀正しい印象を与えることができます。丁寧で簡潔な表現を心がけることが、良好なコミュニケーションの第一歩となります。

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