ビジネスメールで「破棄してください」と伝える場面は意外と多いものです。しかし、目上の相手や取引先に対してこの表現を使うと、命令的・強すぎる印象を与える可能性があります。この記事では、「破棄してください」のビジネスメールにおける敬語表現や言い換え方法、あわせて受け取った際の適切な返信例まで詳しく解説します。

1.「破棄してください」はビジネスメールでは直接的すぎる?

1-1.「破棄してください」は命令形であり敬語ではない

「破棄してください」は、一見丁寧な形に見えますが、「〜してください」は依頼ではなく命令形に近いため、敬語としては不十分です。特にビジネスメールでは、相手に配慮した言い回しが求められるため、そのまま使用すると「配慮に欠ける」「上から目線」といった印象を持たれる可能性があります。

1-2.使用シーンによっては失礼に感じられることも

たとえば、上司や取引先に対して「添付ファイルは破棄してください」と書くと、「指示された」と受け取られ、不快に感じられる場合があります。そのため、「破棄してください」という表現は言い換えや敬語への置き換えが必要です。

2.「破棄してください」のビジネスメールにおける敬語表現

2-1.丁寧で自然な言い換え例

以下は、「破棄してください」を丁寧かつビジネスにふさわしい表現に言い換えた例です。

・お手数ですが、破棄いただけますと幸いです。
・恐れ入りますが、該当データは破棄いただきますようお願いいたします。
・当メールの添付ファイルにつきましては、破棄していただければと存じます。
・お忙しいところ恐縮ですが、不要となりましたデータはご処分いただければと存じます。

2-2.相手に対する配慮を含めた表現

依頼をより丁寧に伝えるためには、相手の手間を気遣う文言を加えると効果的です。

・お手数をおかけいたしますが、該当の資料はご不要となりましたので、破棄いただければと存じます。
・誤って送信した資料につきましては、恐れ入りますが破棄いただけますと幸いです。

3.「破棄してください」の敬語表現に含めたいフレーズ

3-1.「お手数ですが」「恐れ入りますが」でクッション言葉を加える

ビジネスメールでは、依頼内容に直接入る前にクッション言葉を加えることで、印象を和らげることができます。

・お手数ですが
・恐れ入りますが
・恐縮ですが
・ご迷惑をおかけいたしますが

これらのフレーズを冒頭に加えることで、「破棄してください」という内容も柔らかく伝えることができます。

3-2.「いただけますと幸いです」のような結び方で丁寧に

文章の締め方も重要です。「してください」の代わりに以下のような結び方を使うと、敬語として自然になります。

・いただけますと幸いです
・いただきますようお願い申し上げます
・いただければと存じます
・ご対応いただけますようお願い申し上げます

4.ビジネスメールで「破棄してください」を伝える具体例

4-1.誤送信時の例文

件名:誤送信のお詫びとお願い
本文:
○○様
平素より大変お世話になっております。
先ほどお送りいたしましたメールに誤って別のファイルを添付してしまいました。
恐れ入りますが、当該メールおよび添付ファイルは破棄いただけますと幸いです。
ご迷惑をおかけし、大変申し訳ございません。
今後はこのようなことのないよう再発防止に努めてまいります。
何卒よろしくお願い申し上げます。

4-2.古いデータや案内の取り下げ時の例文

件名:先日のご案内についてのご連絡
本文:
○○様
いつもお世話になっております。
先日お送りいたしました資料につきまして、内容に一部誤りがございました。
つきましては、旧資料は破棄いただき、新しい資料をご確認いただければと存じます。
お手数をおかけし恐縮ですが、何卒よろしくお願い申し上げます。

5.「破棄してください」と言われた時のビジネスメールでの返信

5-1.返信は丁寧に、確認の意思を示す

相手から「破棄してください」と依頼された場合、返信では丁寧に対応の完了を伝えると信頼感が高まります。

例文:

件名:Re:誤送信のお詫びとお願い
○○様
お世話になっております。
ご連絡いただきありがとうございました。
ご依頼の件、当該メールおよび添付ファイルは破棄いたしました。
今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

5-2.処理内容を明確に伝えることがポイント

単に「了解しました」と返信するのではなく、「破棄いたしました」など、対応済みであることを明確にすることが重要です。

・ファイルは削除済みです
・データは破棄いたしました
・該当の資料は処分いたしました

これにより、相手に安心感を与えることができます。

6.「破棄してください」の類語・表現の幅を持たせる工夫

6-1.「削除」「処分」「無効化」などの類語を活用

「破棄」という表現が強いと感じられる場面では、以下のような言い換えが有効です。

・削除してください
・ご処分ください
・無効としていただければと存じます
・ご不要となりますため、削除をお願いいたします

6-2.表現のバリエーションで印象を柔らかく

何度も「破棄」という表現が出てくると、印象が強くなりすぎることもあるため、適度に他の表現を織り交ぜることで柔らかく伝えることができます。

7.【まとめ】「破棄してください」は敬語表現で印象が大きく変わる

「破棄してください」は日常的に使われる表現ですが、ビジネスメールでは敬語や配慮のある言い換えが必要です。特に取引先や上司に対しては、「破棄いただけますと幸いです」「恐れ入りますが削除をお願いいたします」など、丁寧な表現を使うことで、相手に不快感を与えることなくスムーズなやり取りができます。また、破棄依頼を受けた際の返信も丁寧に対応し、信頼関係を保つことが重要です。日々のメールで失礼のない表現を心がけましょう。

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