「決めかねている」という表現は、ビジネスや日常会話において、自分が何らかの決定を下すことが難しい状態を丁寧に伝える際によく使われます。相手に対して直接的な拒否や優柔不断な印象を与えず、柔らかく検討中であることを伝えられる便利な表現です。この記事では、「決めかねている」の意味、使い方、言い換え表現、例文、注意点を詳しく紹介します。
1. 「決めかねている」の意味
1-1. 基本の意味
「決めかねている」は、「決めることが難しい」「判断を下すのに迷っている」という意味を持ちます。
「〜かねる」は「〜できない」の丁寧な表現であり、「決めかねる」で決定に至れない、簡単には判断できないことを示します。
1-2. 使用される主な場面
・複数の選択肢で迷っているとき
・情報が不足していて判断できないとき
・関係者との調整がまだ済んでいないとき
・ビジネス上の重要な決断を慎重に検討しているとき
2. 「決めかねている」の使い方
2-1. 基本的な使い方
・現在、採用可否については決めかねております。
・どちらの提案にするか決めかねています。
・納期の調整について、社内で決めかねている状況です。
2-2. ビジネスでの使用例
・こちらの条件につきまして、まだ正式に決めかねておりますので、決まり次第ご連絡いたします。
・予算配分に関して、部内で決めかねているため、再度検討をお願いしております。
2-3. 日常会話での使用例
・旅行先をどこにするか、まだ決めかねてるんだよね。
・ランチのお店、どこにするか決めかねてる。
3. 丁寧な言い換え表現
3-1. 同様の意味を持つ表現
・判断に迷っております
・検討中です
・選定をしかねております
・即答いたしかねます
・決断に至っておりません
3-2. 柔らかく伝える言い換え
・もう少し検討したいと考えております
・まだ結論には至っておりません
・方向性を調整中です
3-3. 例文で比較
・どちらの案を採用するか決めかねております。
→ どちらの案を採用するか判断に迷っております。
→ どちらの案も魅力的で、即決しかねる状況です。
4. 使用時のポイントと注意点
4-1. 断りではなく「検討中」であることを強調
「決めかねている」はあくまで判断に迷っている、または慎重に検討している状態を伝える表現です。
明確に断る場合は別途「今回は見送らせていただきます」などの表現を使う必要があります。
4-2. 相手に不安を与えない言い回しを添える
単に「決めかねております」とだけ言うと、対応が遅れている印象を与えることもあるため、検討中である旨や今後の予定を添えると好印象です。
例:
・決めかねておりますが、〇日までにはご連絡いたします。
・慎重に検討を重ねておりますので、もう少しお時間をいただければ幸いです。
4-3. 相手への配慮を忘れない
ビジネスでは、「お待たせして申し訳ございません」といった一言を添えることで、相手への配慮がより伝わります。
5. よくある質問
5-1. 「決めかねている」はビジネスメールで使える?
はい。適切な文脈で使えば問題ありません。ただし、決定を先延ばしにしている印象を与えないよう、「検討中」「方針決定次第ご連絡します」などのフォローを添えるとより丁寧です。
5-2. 目上の人に使ってもよい?
使えます。ただし、「慎重に検討しております」「結論に至っておりません」など、さらにかしこまった表現を選んだ方が無難な場合もあります。
5-3. すぐに決めたくないときに柔らかく断るには?
・即答いたしかねますので、少しお時間をいただけますでしょうか。
・慎重に検討させていただきたく、改めてご連絡差し上げます。
6. 実践的な文例集
6-1. ビジネスメールでの文例
・本件につきましては、現在社内で検討中であり、正式な回答は決めかねております。決定次第、速やかにご連絡申し上げます。
6-2. 社内連絡や相談文で
・次期プロジェクトのリーダー選任について、各部の意見が割れており、現時点では決めかねている状況です。
・価格改定案につき、関係部署で調整を進めておりますが、結論はまだ出しかねております。
6-3. カジュアルな社内会話で
・どちらのシステムを導入するか、まだ決めかねてるから、もう少し比較したいね。
・新しい提案について、いろいろ検討してるけど、結論は出しかねてるよ。
まとめ
「決めかねている」は、判断を保留していることを丁寧かつやわらかく伝える便利な表現です。ビジネス・日常問わず活用でき、慎重な姿勢を示すことができます。ただし、使い方を誤ると「優柔不断」や「対応が遅い」と受け取られる可能性もあるため、検討中である旨や今後の対応予定をセットで伝えることが重要です。言葉遣いを工夫し、信頼感のあるコミュニケーションを目指しましょう。