ビジネスメールや会話で頻繁に登場する「例年通り」という表現。便利な言葉ではありますが、具体性に欠けたり誤解を招く使い方をしているケースも見られます。本記事では、「例年通り」の正しい意味や使い方、注意点、言い換え表現、英語での活用法を実例とともに分かりやすく紹介します。

1. 「例年通り」の意味

1-1. 定義と使いどころ

「例年通り」は「これまでの年と同じように」「毎年の慣例に従って」という意味を持ち、定例業務や行事の案内に適しています。企業活動の年間スケジュールやイベント開催など、一定の流れがある場合によく用いられます。

例:
「今年も例年通り、7月に夏季休業を予定しております。」

1-2. 類義語との違い

「通常通り」=日常的な業務や処理手順に使われる
「平年通り」=気象など自然現象に関する文脈が中心
「例年通り」=年度ごとの行事や業務の繰り返しに使う

文脈に応じて適切に選ぶことが重要です。

2. ビジネスでの具体的な使い方

2-1. 社外向けメール例

件名:ゴールデンウィーク休業のお知らせ
本文:
拝啓 春暖の候、貴社ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
さて、弊社では例年通り、下記の期間を休業とさせていただきます。何卒ご了承のほどお願い申し上げます。

このように、時候の挨拶とあわせて「例年通り」を用いることで丁寧かつ簡潔な案内が可能になります。

2-2. 社内通知での例文

「例年通り、健康診断は6月下旬に実施予定です。詳細は追って連絡いたします。」
「社内報の発行は、例年通り12月中旬を予定しています。」

3. 使用時の注意点

3-1. 社会的状況を踏まえる

前年までの常識が通用しないケースもあります。たとえば、自然災害や感染症の流行などで従来通りの運用が困難な場合、「例年通り」は避けるか補足説明を加えるのが適切です。

例:
「例年通りを予定しておりますが、状況により変更の可能性があります。」

3-2. 内容を明確に伝える

単に「例年通り」と記載するだけでは、相手に正しく意図が伝わらない場合があります。日程や内容など、具体的な情報を添えるようにしましょう。

NG:「例年通り対応いたします」
OK:「例年通り、10月に社内研修を実施いたします」

4. 言い換え表現

4-1. 丁寧でフォーマルな表現

・従来通り
・前例に従い
・慣例に基づき

例:
「従来通り、期末報告会は3月下旬に開催予定です。」

4-2. 少し柔らかい表現

・いつも通り
・例によって
・お決まりの流れで

ただし、文書の種類によってはカジュアルになりすぎる恐れがあるため、対外的な文面には適しません。

5. 英語での表現方法

5-1. 一般的な英訳

・As in previous years
・As is customary
・As per usual practice

例:
"As in previous years, the conference will be held in September."

5-2. 英文メール例

Dear Partners,
Please note that, as in previous years, our office will be closed for the holidays from December 29 to January 3.
We appreciate your continued cooperation.

6. よくある質問

6-1. 業種によって使い分ける必要がある?

基本的にどの業界でも「例年通り」は使えます。ただし、新規顧客や初対面の相手には説明を補足するのが丁寧です。

6-2. 口頭でも使っていい?

問題ありません。「例年通りのスケジュールで進行します」「例年通り、資料は提出済みです」などの会話でも自然に使えます。

まとめ

「例年通り」は、年次の慣習や行事を示す便利な表現で、ビジネスの場でもよく使われます。使用時には具体性を意識し、状況によっては補足を加える配慮が大切です。また、言い換えや英訳を使い分けることで、より的確な意思疎通が可能になります。丁寧でわかりやすい表現を心がけましょう。

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