ビジネスシーンでは、相手の来訪が確定した際に感謝の気持ちを丁寧に伝える表現が求められます。「お越しいただけるとのこと、ありがとうございます」はその代表例です。本記事では、この表現の意味や使い方、言い換え、注意点、さらに活用例までを詳しく解説します。

1. 「お越しいただけるとのこと、ありがとうございます」の意味

1-1. 表現の基本構造

「お越しいただけるとのこと、ありがとうございます」は、相手が自分のもとに来てくれる予定であることに対し、感謝の気持ちを伝える丁寧な日本語表現です。「お越しいただける」は「来てくださる」という意味を丁寧にした表現で、「とのこと」は情報を伝え聞いたことを示します。

1-2. 敬語としての位置づけ

この表現には「尊敬語(お越しいただける)」と「丁寧語(ありがとうございます)」が含まれており、ビジネスシーンでの使用に最適です。相手に対して敬意を払いつつ、自分の気持ちをきちんと伝えることができます。

2. 使用される場面と適切なタイミング

2-1. 来訪予定が決まったとき

もっとも一般的な使用場面は、相手から訪問の予定を知らされた際です。たとえば、メールや電話で「◯日に伺います」と言われた場合の返信文に使えます。

2-2. イベントや会議の出席に対して

セミナーや会議、商談などの出席が決まった際にも使われます。「ご出席いただけるとのこと、ありがとうございます」も類似表現です。

2-3. 調整後の確認メール

スケジュール調整のやりとりの末、来訪が確定したときに送る確認メールの中で使うことで、円滑なコミュニケーションにつながります。

3. 類似表現との違いと使い分け

3-1. 「お越しいただきありがとうございます」との違い

「お越しいただけるとのこと、ありがとうございます」は未来の予定に対しての感謝を示すのに対し、「お越しいただきありがとうございます」はすでに訪問が完了した後の表現です。時制が異なるため、使い方を間違えないようにしましょう。

3-2. 「ご足労いただきありがとうございます」

「ご足労いただき」は、相手がわざわざ時間をかけて訪れてくれることに焦点をあてた表現です。「お越しいただける〜」よりもややかしこまった印象を与えます。

3-3. 「ご来訪いただきありがとうございます」

やや硬めの表現で、来訪自体を重視する場合に用いられます。式典や講演など、フォーマルな場面に向いています。

4. ビジネスメールでの使用例

4-1. 来訪予定の確認メールでの例

件名:〇月〇日(〇)ご来訪の件

〇〇様

お世話になっております。株式会社〇〇の〇〇です。
〇月〇日(〇)のご来訪予定とのこと、誠にありがとうございます。
当日は〇階会議室にてお待ち申し上げております。どうぞお気をつけてお越しくださいませ。

何卒よろしくお願いいたします。

4-2. イベント参加への返信メール

件名:イベントご参加の御礼

〇〇様

いつも大変お世話になっております。〇〇セミナー事務局の〇〇でございます。
このたびはご参加いただけるとのこと、誠にありがとうございます。
当日の詳細は別途資料にてご案内いたします。

引き続き、よろしくお願い申し上げます。

4-3. お礼状・お礼メールとして

イベントや訪問予定の連絡をいただいた直後のお礼として用いるのが自然です。文章に柔らかさと誠実さを加えたい場合に特に有効です。

5. 注意すべきポイント

5-1. 丁寧さを損なわない

「お越しいただけるとのこと、ありがとうございます」は丁寧な表現ですが、メール全体のトーンも一致させましょう。「了解しました」や「わかりました」などのくだけた表現と併用すると違和感が生じます。

5-2. 時制の使い分け

すでに訪問が終わったあとにこの表現を使うと、違和感を持たれる可能性があります。訪問予定と、訪問済みであることの違いを意識しましょう。

5-3. 表現のくどさを避ける

あまりにも何度も「お越しいただけるとのこと〜」を使うと冗長に感じられることもあります。場合に応じて、「ご来訪ありがとうございます」など他の表現を使ってバリエーションを持たせましょう。

6. 言い換え表現とその使いどころ

6-1.「ご足労いただき感謝申し上げます」

より丁重でかしこまった言い回しをしたい場合に便利です。目上の相手や重要な商談相手向け。

6-2.「ご来社ありがとうございます」

相手が自社に訪れることを明確にする表現で、簡潔ながらも丁寧です。営業や人事対応でも頻出します。

6-3.「お運びいただき恐縮です」

恐縮の気持ちを込めたい場合、または悪天候や遠方からの来訪への配慮を示す場合に使われます。

7. まとめ

「お越しいただけるとのこと、ありがとうございます」は、来訪の予定に対して敬意と感謝を示す丁寧な表現です。使用場面やタイミング、言い換えを正しく理解しておくことで、ビジネスの場において好印象を与えることができます。相手との円滑な関係構築のためにも、正しく使いこなせるようになりましょう。

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