「なお」という言葉は、ビジネスメールや日常会話で頻繁に使われる接続詞です。しかし、正しく使わないと意味が通じにくかったり、失礼に感じられたりすることもあります。本記事では、「なお」の正確な意味や使い方、使用シーン別の例文、さらに言い換え表現まで詳しく解説します。
1. 「なお」の意味と役割
1.1 「なお」はどんな意味の言葉か?
「なお」は、日本語における**接続詞**の一つで、文章と文章をつなぐ役割を持っています。主に次のような使い方があります。
補足情報を加える(例:「なお、詳細は追ってご連絡いたします」)
別の角度からの情報を提示(例:「なお、別件ではございますが…」)
前の話題と関連のある情報を続けるとき
1.2 漢字表記と読み方
「なお」は通常ひらがなで表記されますが、意味的には「尚(なお)」が語源とされています。「尚」は「さらに」「そのうえに」という意味を持ち、そこから派生して現在のような使われ方になりました。
2. ビジネスシーンにおける「なお」の使い方
2.1 ビジネスメールでの使用例
ビジネスメールにおいて「なお」は非常に便利な言葉です。以下のような場面で活躍します。
補足説明
別件の案内
注意事項の追加
例文:
「明日の会議は14時より開始予定です。なお、出席確認は本日中にお願いいたします。」
「添付資料をご確認ください。なお、不明点があればご連絡ください。」
2.2 会議やプレゼンでの活用
口頭での説明でも「なお」はよく使われます。話の流れをスムーズにし、聞き手にとってわかりやすい情報提供ができます。
例文:
「この施策は今月末に終了予定です。なお、次期プランについては現在調整中です。」
「以上が報告内容となります。なお、質疑応答の時間を5分ほど設けております。」
3. 日常会話における「なお」の使い方
3.1 口語での「なお」は控えめに
日常会話で「なお」を使うと、やや堅い印象を与えることがあります。フォーマルな場や目上の人との会話では適していますが、カジュアルな場では避けた方が自然です。
例文:
「そのレストランは美味しいよ。なお、ランチは予約したほうがいいかも。」
「旅行は延期になりました。なお、日程が決まり次第連絡します。」
3.2 SNSやチャットでの使い方
LINEやメールなどの短文メッセージでも「なお」は使われますが、あまり頻用するとビジネスっぽくなってしまうため、柔らかい言い換えも検討しましょう。
例文:
「明日集合は10時。なお、場所は駅前のカフェで。」
「イベントは中止になりました。なお、代替日は未定です。」
4. 「なお」の言い換え表現
4.1 「ちなみに」
補足情報を伝えるときに「なお」の代わりに使えます。ただし、「ちなみに」はややカジュアルな印象があります。
例文:
「ちなみに、彼は以前同じ部署にいました。」
「ちなみに、あの企画は先方に好評でした。」
4.2 「加えて」
文章に厚みを持たせたいときや、事実を積み重ねて説明したいときに使うと効果的です。
例文:
「業績は順調です。加えて、新規プロジェクトも立ち上がりました。」
「取引条件は改善されました。加えて、納期も短縮可能となりました。」
4.3 「また」
「また」は「なお」とほぼ同じ意味で、フォーマル・カジュアルどちらでも使える万能表現です。
例文:
「明日は休業日です。また、電話対応も停止します。」
「資料を送付いたしました。また、追って説明会の案内もお送りします。」
5. 「なお」の使い方に関する注意点
5.1 多用しすぎない
「なお」は便利な言葉ですが、多用すると文章がくどくなったり、単調に感じられたりする恐れがあります。文の構成にバリエーションを持たせることが大切です。
5.2 文頭で使うときのリズムに注意
「なお、○○です。」という形は便利ですが、文頭に頻繁に使うと違和感を持たれることもあります。文末や中盤への配置も工夫しましょう。
6. まとめ|「なお」は万能な接続詞。上手に使えば文章力UP!
「なお」は、ビジネスメールから日常会話まで幅広く使える接続詞です。補足情報や関連事項を自然につなぐことができる便利な表現ですが、使いすぎや場違いな使い方には注意が必要です。状況に応じて言い換え表現も取り入れながら、自然で伝わりやすいコミュニケーションを心がけましょう。