「下旬」とは、月の後半を指す表現としてニュースやビジネス文書などでよく使われます。しかし、「下旬っていつからいつまで?」と聞かれると、正確に答えられない人も多いのではないでしょうか。本記事では、「下旬」の正確な期間や意味、上旬・中旬との違い、日常での使い方までわかりやすく解説します。

1. 下旬とは?意味をわかりやすく解説

「下旬(げじゅん)」とは、ひと月のうちの「下(後半)」を表す言葉です。
具体的には、その月の21日から月末までを指します。
「上旬」「中旬」と並んで、月を3分割する表現として使われるのが一般的です。

たとえば「10月下旬」と言えば、10月21日から10月31日頃までを指すことになります。
このように「下旬」は期間をぼんやり示す柔らかい表現であり、ビジネスや報道などでも頻繁に用いられます。

2. 下旬はいつからいつまで?日付の目安

「下旬」は、通常「21日からその月の末日」までの期間を指します。
つまり、どの月であっても21日がスタートです。
ただし、月によって末日の日数が異なるため、終了日は次のようになります。

2-1. 月ごとの下旬の日付

1月下旬:1月21日~1月31日

2月下旬:2月21日~2月28日(うるう年は29日)

3月下旬:3月21日~3月31日

4月下旬:4月21日~4月30日

5月下旬:5月21日~5月31日

6月下旬:6月21日~6月30日

7月下旬:7月21日~7月31日

8月下旬:8月21日~8月31日

9月下旬:9月21日~9月30日

10月下旬:10月21日~10月31日

11月下旬:11月21日~11月30日

12月下旬:12月21日~12月31日

このように、どの月でも21日が基準となるため、覚えておくと便利です。

3. 上旬・中旬との違い

「下旬」は月の後半を表す言葉ですが、「上旬」「中旬」とセットで理解すると使い方がより明確になります。
それぞれの期間の目安は以下の通りです。

3-1. 上旬・中旬・下旬の区分

上旬:1日~10日

中旬:11日~20日

下旬:21日~末日

つまり、1か月を10日ずつの3つの期間に分けた呼び方というわけです。
これらはビジネス文書や天気予報、イベントの案内などでよく使われます。

3-2. 「下旬」と「月末」の違い

混同されやすいのが「下旬」と「月末」です。
「下旬」は21日以降の約10日間を指しますが、「月末」は「月の終わり頃(最終日近く)」を意味します。
そのため、「下旬に入ったけど月末ではない」という期間も存在します。
たとえば、4月25日は「下旬」ですが、「月末」とは言いません。
月末は一般的に28日以降を指すことが多いです。

4. 下旬の使い方と例文

「下旬」は日付を明確に言わず、おおまかな時期を伝えたいときに便利な表現です。
ビジネスや日常のさまざまな場面で使われます。

4-1. ビジネスシーンでの例

・「商品の出荷は11月下旬を予定しております。」
・「次回の会議は3月下旬を目安に開催します。」
・「工事は9月下旬に完了する予定です。」

これらの例のように、下旬を使うことで「明確な日程はまだ確定していないが、おおよその時期は伝えたい」というニュアンスを表せます。

4-2. 日常会話での例

・「旅行は8月下旬に行く予定だよ。」
・「給料日は毎月下旬だね。」
・「天気が安定するのは4月下旬くらいかな。」

このように、日常生活でも自然に使える便利な言葉です。

5. 下旬を使うときの注意点

便利な「下旬」ですが、使い方にはいくつか注意すべきポイントがあります。
とくにビジネス文書などでは、相手に誤解を与えないように意識して使うことが大切です。

5-1. 明確な日付が必要な場面では避ける

「下旬」という表現は曖昧なため、納期や契約など、正確な日程を求められる場合には不向きです。
たとえば、「納品は3月下旬です」と伝えると、相手によっては「25日」だと思う人もいれば「30日」だと思う人もいます。
そのため、重要なやり取りでは「3月25日ごろ」など、より具体的な日付を補うのが望ましいです。

5-2. 「頃」「あたり」と組み合わせる

「下旬頃」「下旬あたり」などと使うことで、より柔らかい印象になります。
例:「4月下旬頃に結果をお知らせします。」
このような表現は、確定的な約束を避けつつ、目安を伝える際に適しています。

6. 天気予報やニュースでの「下旬」の使われ方

ニュースや天気予報などでは、「下旬」は季節の変わり目やイベント時期の目安としてよく登場します。
たとえば、気象庁の発表や報道では次のような使われ方をします。

6-1. 季節の変化を表すとき

・「梅雨明けは7月下旬になる見込みです。」
・「桜の開花は3月下旬ごろの予想です。」
・「秋の気配は9月下旬から感じられるでしょう。」

このように、「下旬」は季節の移り変わりを表現する際にも使われます。

6-2. 経済・社会ニュースでの用例

・「新商品の発売は10月下旬に予定されています。」
・「政府は12月下旬に予算案を発表する見通しです。」
・「イベントは5月下旬から6月上旬にかけて開催されます。」

このように、報道では日程をぼかしつつ、期間の目安を示す際に「下旬」は便利な表現です。

7. 似た表現との使い分け

「下旬」と似た時期を表す言葉に、「末」「終わり」「後半」などがあります。
それぞれ意味が少しずつ異なるため、使い分けを理解しておくと自然な日本語になります。

7-1. 「下旬」と「末(まつ)」の違い

「月末」は特定の日付(おおむね最終日付近)を指すのに対し、「下旬」は21日から末日までの期間全体を含みます。
たとえば「3月下旬」は21~31日頃、「3月末」は30日や31日を指します。
そのため、「下旬」と「末」は同じではありません。

7-2. 「後半」との違い

「後半」は、ある期間を2つに分けたときの後ろ側を指します。
1か月を「前半・後半」で分けた場合、「後半」は16日以降を意味することもあります。
一方、「下旬」は21日以降とより限定的です。
したがって、「月後半」と「下旬」は似て非なる表現です。

8. まとめ:下旬は「21日から月末」までを指す

・下旬=その月の21日~末日
・上旬=1~10日、中旬=11~20日
・月末とは異なり、期間全体を含む
・ビジネス・ニュース・会話など幅広く使える
・正確な日付が必要なときは具体的な表現を補う

「下旬」は日本語の中でも頻出する便利な時期表現です。
ニュースや予定表、ビジネスメールなどで見かけたときに、「21日から月末」と理解しておけば間違いありません。
柔らかく時期を伝えたいときに、上手に活用してみましょう。

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