テレビCMやポスター、商品広告などでよく見かける「キャッチフレーズ」。
短い言葉で心をつかむ表現ですが、実際にはどんな意味があり、どのように作られるのでしょうか?
この記事では、「キャッチフレーズ」の意味や役割、作り方のコツ、そして「コピー」「スローガン」との違いをわかりやすく解説します。

1. キャッチフレーズとは?

「キャッチフレーズ(catchphrase)」とは、人々の注意を引きつける短い言葉・印象的なフレーズのことです。
主に広告や宣伝、商品紹介、キャンペーン、作品タイトルなどで使われ、聞いた人や見た人の記憶に残るように作られた言葉を指します。

  • 例:「そうだ 京都、行こう。」(JR東海)
  • 例:「お口の恋人 ロッテ」
  • 例:「Just Do It.(ナイキ)」
  • 例:「インスタ映え」(流行語として定着)

つまり、キャッチフレーズとは人の心を一瞬でつかみ、印象づけるための言葉です。

2. 語源と英語の意味

英語の “catchphrase” は、

  • catch=つかまえる
  • phrase=言葉・句

という意味で、直訳すると「人の注意をつかむ言葉」になります。
もともとはテレビ番組や広告で繰り返し使われる印象的な決まり文句を指していました。

3. キャッチフレーズの目的

キャッチフレーズは、単におしゃれな言葉ではなく、人の感情を動かすための戦略的なメッセージです。
主な目的は次の3つです。

  • ① 注意を引く:見た人・聞いた人の興味を一瞬でつかむ。
  • ② 記憶に残す:短く、覚えやすく、繰り返し思い出してもらう。
  • ③ メッセージを伝える:ブランドや商品の魅力、価値観を端的に伝える。

つまり、キャッチフレーズは商品や企業の「第一印象」を決定づける重要な言葉です。

4. キャッチフレーズの使われる場面

分野 使用例
広告・宣伝 「世界の車窓から」「やめられない、とまらない(かっぱえびせん)」
商品・企業 「No Music, No Life.(タワーレコード)」
観光・地域PR 「いざ、鎌倉。」「おもてなし(東京五輪)」
政治・キャンペーン 「日本を、取り戻す。」「変えるなら、今。」
映画・書籍 「この冬、あなたは恋をする。」「愛と勇気の物語。」

5. キャッチフレーズの作り方・コツ

印象的なキャッチフレーズを作るには、次のようなポイントを押さえると効果的です。

5-1. 短く、わかりやすく

キャッチフレーズは一目で理解できることが大切です。
長すぎると印象が薄れるため、5〜12文字程度が理想とされています。

5-2. 感情を動かす言葉を使う

「ワクワクする」「心に響く」「驚く」といった感情を引き出す言葉を使うと、記憶に残りやすくなります。

例:

  • 「キミと、世界を変えよう。」
  • 「未来を、今つくる。」

5-3. リズム感・語感を大切にする

語呂やリズムが良いと、自然に口ずさめて印象が強くなります。

例:

  • 「やめられない、とまらない」
  • 「お、ねだん以上。ニトリ」

5-4. 具体的なイメージを与える

抽象的な表現よりも、情景や行動を想像できる言葉が効果的です。

例:

  • 「そうだ 京都、行こう。」
  • 「手紙を書こう、心を届けよう。」

5-5. ターゲットを明確にする

誰に伝えたいのかを意識して言葉を選ぶと、メッセージがより響きます。
たとえば若者向けならカジュアルに、大人向けなら上品な言葉を選ぶとよいでしょう。

6. 「キャッチコピー」「スローガン」との違い

言葉 意味 特徴
キャッチフレーズ 印象的で人を惹きつける短い言葉 作品・商品など幅広く使われる
キャッチコピー 広告や販促のための宣伝文句 購買意欲を刺激する目的
スローガン 理念や目標を表す合言葉 企業・団体のモットーや方針に使う

つまり、キャッチコピーは「売るための言葉」、スローガンは「信念を示す言葉」、
そしてキャッチフレーズはその両方を包含する印象づけの言葉といえます。

7. 有名なキャッチフレーズの例

  • 「想像力が、未来を変える。」(トヨタ)
  • 「日本の朝は、パンから。」(山崎製パン)
  • 「I’m lovin’ it.」(マクドナルド)
  • 「あなたとコンビに、ファミリーマート。」
  • 「水と生きる。」(サントリー)

8. まとめ

「キャッチフレーズ」とは、人の心をつかみ、印象を残す短い言葉のことです。
宣伝や作品紹介だけでなく、企業理念や地域PRなど、さまざまな分野で活用されます。
短い中に感情・メッセージ・リズムを込めることが、心に響くキャッチフレーズを作る秘訣です。

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