「領収いたしました」という表現は、ビジネスメールや領収書、取引報告などでよく使われます。しかし、その正確な意味や適切な使い方を理解していないと、誤解を招くこともあります。本記事では、「領収いたしました」の意味と使い方、類語との違い、注意点などを詳しく解説します。

1. 「領収いたしました」とはどういう意味か?

「領収いたしました」は、「金銭や物品を確かに受け取りました」という意味を持つ丁寧な表現です。主にビジネスの場面で使われる言葉で、「領収」は「受け取ること」、「いたしました」は丁寧な補助動詞です。

つまり、「(私どもが)確かに受け取りました」という内容を、謙譲語を使って丁寧に伝える表現です。

2. 「領収いたしました」の使い方

2.1 ビジネスメールでの使い方

取引先や顧客からの入金、商品の受領などがあった際に、確認の報告として使用されます。

例文:

ご送金いただきました金額、確かに領収いたしました。

商品を本日領収いたしましたことをご報告申し上げます。

この表現を使うことで、受け取ったことを正式に伝え、信頼関係を築く一助となります。

2.2 領収書での使用

領収書にも「領収いたしました」の表現が印刷されていることがあります。

例:
「上記の金額、確かに領収いたしました。」

この場合は、実際に金銭の授受が完了したことの証明として使われています。

2.3 電子メールやPDFの領収通知でも使える

オンラインでの取引や支払いでも、「領収いたしました」という言葉は有効です。電子領収書の文面として使用することも多く、紙の領収書と同様に正式な受領の証明となります。

3. 「領収いたしました」を使う場面

3.1 金銭の受領時

もっとも一般的なのは、請求に対する入金や送金が確認できたときです。特に、銀行振込や現金受取の報告で使われます。

例:

〇月〇日付でお振込みいただいた代金、確かに領収いたしました。

3.2 商品・書類などの受け取り時

金銭だけでなく、実物の受け取りに対しても「領収いたしました」が使えます。たとえば、納品書や契約書、商品サンプルなどに対しても使用されます。

例:

契約書2通、確かに領収いたしました。

3.3 イベント・セミナーなどの参加費受領

イベントの参加費やセミナー料金の受領確認にも使用されます。参加者に安心感を与える表現でもあります。

4. 「領収いたしました」と「受領いたしました」の違い

「領収いたしました」と似た表現に「受領いたしました」がありますが、意味と使い方に違いがあります。

「領収いたしました」:金銭を受け取った際に主に使用

「受領いたしました」:金銭以外の書類や物品などの受け取り全般に使える

例:

代金:領収いたしました

契約書・見積書:受領いたしました

このように使い分けることで、より正確で丁寧なビジネス表現になります。

5. 「領収いたしました」に対する適切な返信例

5.1 確認と感謝を伝える

相手から「領収いたしました」と連絡が来た場合には、以下のような返信が適切です。

例文:

ご確認いただきありがとうございます。今後ともよろしくお願い申し上げます。

ご連絡ありがとうございます。お手数をおかけしました。

5.2 略式でも丁寧な印象を保つ

形式張らずに返信する場合でも、ビジネスマナーは守る必要があります。

例文:

ご確認ありがとうございました。引き続きよろしくお願いいたします。

6. 「領収いたしました」を使う際の注意点

6.1 二重表現に注意する

「領収いたしました」という丁寧な表現にさらに「〜させていただきました」などを加えると、過剰表現になることがあります。

誤例:

金額を領収させていただきました(→冗長)

適切な例:

金額を領収いたしました

6.2 タイミングを誤らない

実際に金銭や物品を受け取る前に「領収いたしました」と伝えてしまうと、誤解やトラブルの原因になります。確認後に送信・記載することが大切です。

6.3 メールでの誤送信に注意

特に振込金額や明細などを記載する場合は、誤って他人に送らないよう、送信前に確認を徹底する必要があります。

7. 類似表現との比較

7.1 受け取りました

「受け取りました」は口語的な表現であり、ビジネス文書にはややカジュアルです。

ビジネスメールでは「領収いたしました」または「受領いたしました」の使用が望ましいです。

7.2 承りました

「承りました」は「内容を理解し、引き受けました」という意味であり、受領の表現には不適切です。混同しないよう注意が必要です。

8. 英語で「領収いたしました」はどう表現するか?

英語では「We have received your payment.」や「The amount has been received.」という表現が一般的です。

例文:

Thank you. We have received your payment in full.

The documents have been successfully received.

ビジネス英語では、「領収」のような形式的な単語よりも、平易で明確な表現が好まれます。

9. まとめ

「領収いたしました」という表現は、金銭や物品の受領を丁寧に伝えるビジネス用語です。特に金銭のやり取りにおいて使われることが多く、信頼関係や取引の明確化に役立ちます。

「受領いたしました」との違いを理解し、場面に応じて正しく使い分けることが、社会人としての信頼を築く第一歩です。過剰敬語や誤送信などにも注意しながら、正確で丁寧なコミュニケーションを心がけましょう。

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