「執り(とり)」という表現は、単独で使われることは少なく、主に複合語の一部として登場します。「執る」という動詞の連用形であり、物事を実際に行う、または手に取って処理するという意味を持っています。この記事では「執り」の意味や使い方、関連する熟語について詳しく解説します。
1. 「執り」の基本的な意味
「執り」は動詞「執る(とる)」の連用形で、次のような意味を持ちます。
・物事を実際に行う
・任務や役割を担当する
・手に取る、扱う
このため「執り」は「執り行う」「執り成す」などの形で用いられます。
2. 「執り」を使った代表的な言葉
2-1. 執り行う(とりおこなう)
儀式や式典などを正式に実施すること。
例:「結婚式を執り行う」
2-2. 執り成す(とりなす)
物事を処理したり、人の間に入って調整したりすること。
例:「両者の間をうまく執り成す」
2-3. 執り組む(とりくむ)
真剣に物事に向き合って取り扱うこと。
例:「新しい課題に執り組む」
2-4. 執り計らう(とりはからう)
物事を判断し、適切に処置すること。
例:「事務的なことを執り計らう」
3. 「執り」の例文
・「彼が司会を執り行った」
・「状況を冷静に執り成した」
・「彼女は与えられた仕事に真剣に執り組んでいる」
・「上司が適切に執り計らってくれた」
4. 「執り」と「取り」の違い
「執り」と「取り」はどちらも「とり」と読みますが、使い分けがあります。
・「執り」=公的・儀礼的な場面や改まった文脈で使われることが多い
・「取り」=日常的な行為や一般的な意味で使われる
例:
・「会議を執り行う」 → 改まった表現
・「会議を取り仕切る」 → 日常的な表現
5. 類語表現
・「遂行する」=任務を果たす
・「実施する」=物事を行う
・「担当する」=任務を担う
6. まとめ
「執り」とは、「執る」の連用形であり、儀式や任務、調整などを正式に行う際に使われる言葉です。「執り行う」「執り成す」「執り計らう」といった熟語でよく登場し、改まった文章やフォーマルな場で使われることが多いです。日常的には「取り」と書く場合が多いため、文脈に応じて正しく使い分けることが大切です。