台北は台湾の首都として多くの人に知られていますが、「台北」という漢字をどう読むのが正しいのか、意外と知られていません。日本語では「たいぺい」や「たいほく」と読む人もおり、どちらが正しいのか迷う場面もあります。本記事では、台北の正しい読み方を中心に、日本語・中国語それぞれの発音、由来、歴史的背景まで詳しく解説します。

1. 台北の読み方とは?

台北は、日本語では一般的に「たいぺい」と読みます。
一方で、中国語では「タイベイ(Táiběi)」と発音されます。
どちらも同じ漢字を使いますが、読み方の背景や言語的な仕組みが異なるため、どちらが「正しい」と一概には言えません。ここでは、日本語での読み方、中国語での発音の違いを整理してみましょう。

1-1. 日本語での読み方:「たいぺい」

日本では、台北を「たいぺい」と読むのが一般的です。これは、台湾に関するニュースや地図、観光案内などでも共通して使われています。
「たいほく」と読む場合もありますが、それは歴史的な文脈や古い資料に限られることが多く、現在では「たいぺい」が標準的な読み方として定着しています。

1-2. 中国語(北京語)での発音:「タイベイ(Táiběi)」

台湾の公用語である中国語(北京語)では、「台北」は「Táiběi(タイベイ)」と発音されます。
「台」は「Tái」、「北」は「běi」と読むため、2つを合わせて「Táiběi(タイベイ)」となります。
英語の表記でも「Taipei」とされており、これは中国語発音に基づいたローマ字表記です。

2. 「たいぺい」と「たいほく」どちらが正しいの?

多くの人が疑問に思うのが、「台北」は「たいぺい」なのか「たいほく」なのか、という点です。
結論から言えば、現代日本語では「たいぺい」が正しい読み方とされています。
ただし、「たいほく」という読み方にも歴史的な理由があります。

2-1. 「たいほく」は日本統治時代の読み方

台湾が日本の統治下にあった時代(1895年~1945年)、日本では「台北」を「たいほく」と読んでいました。
これは、当時の日本の地名読みの慣習に基づいたもので、「台中(たいちゅう)」「台南(たいなん)」などと同様に、「台北(たいほく)」と読むのが自然だったためです。

2-2. 終戦後、「たいぺい」へと変化

第二次世界大戦後、台湾が中華民国の統治下に戻ると、現地での発音「Táiběi(タイベイ)」が国際的に用いられるようになりました。
日本でもこれに合わせて、読み方が「たいぺい」へと移行していきました。
その結果、現在では「たいぺい」がニュースや公文書でも公式な読み方として使われています。

3. 台北という地名の由来

台北の地名は、台湾島の地理的な位置に由来しています。
「台北」は文字通り「台湾の北部」を意味しており、かつては行政区分の名称として生まれました。

3-1. 「台」は「台湾」の略

「台」は「台湾」の略称です。古くから「台地」や「高台」を意味する漢字ですが、台湾では「台」が地名や行政名に多く使われています。
「台中」「台南」「台東」など、いずれも台湾の各地域を指す地名です。

3-2. 「北」は位置を示す

「北」はそのまま「北部」を意味します。
つまり、「台北」は「台湾の北の地域」を意味しており、地理的に台湾の北端に位置することから名付けられたとされています。

4. 台北の中国語発音をカタカナで表すと?

中国語で「台北」は「Táiběi(タイベイ)」と発音しますが、これは声調(四声)があるため、日本語とは音の強弱が異なります。
カタカナで書くと「タイベイ」ですが、実際の発音は少し抑揚があり、「タイ↗ベイ↘」という感じになります。
声調まで正確に再現するのは難しいですが、旅行先で発音したい場合は、英語の「Taipei(タイペイ)」のように発音しても通じます。

5. 日本で「たいぺい」と読む理由

日本ではなぜ「タイベイ」ではなく「たいぺい」と読むようになったのでしょうか。
その背景には、日本語の音韻体系と外来地名の表記ルールがあります。

5-1. 外国地名の日本語読みの慣習

日本語では、外国の地名を漢字で表記するとき、現地の音をそのまま採用せず、日本語の音に置き換える傾向があります。
たとえば、「北京」は「ペキン(Beijing)」と読みますし、「広州」は「こうしゅう(Guangzhou)」と呼ばれます。
同じように「台北」も、日本語風に読んで「たいぺい」となりました。

5-2. 台湾との文化的な交流による影響

戦後、日本と台湾の間では観光や経済面での交流が再び盛んになりました。その際、国際的に通用する「Taipei(タイペイ)」という読み方が日本にも広まり、「たいぺい」が定着したのです。

6. 台北の英語表記とその意味

台北の英語表記は「Taipei」です。
これは、中国語発音「Táiběi」に基づいたローマ字表記であり、世界的にもこの綴りが標準です。
空港名や国際イベント、観光パンフレットなどでもすべて「Taipei」と書かれています。
なお、英語では「タイペイ」と読むのが一般的で、「たいぺい」とほぼ同じ響きになります。

7. まとめ:台北の正しい読み方は「たいぺい」

・日本語での正しい読み方は「たいぺい」
・中国語では「タイベイ(Táiběi)」と発音
・「たいほく」は日本統治時代の古い呼び方
・地名の意味は「台湾の北部」
・英語表記は「Taipei」で、国際的にも共通

現在では「たいぺい」がもっとも一般的かつ正しい読み方として定着しています。ニュース、観光、地図、どの場面でも「たいぺい」と読むのが自然です。
もし台湾を訪れる際には、中国語の発音「タイベイ」も覚えておくと、現地の人との会話がよりスムーズになるでしょう。

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