「眩暈」という漢字、見かけたことはあるけれど正確に読める人は少ないかもしれません。体の不調や感覚異常を表すこの言葉は、医療現場でも文学でも使われることがあります。本記事では、「眩暈」の読み方、意味、使い方、言い換え表現、英語との違いまで、やさしく丁寧に解説します。
1. 「眩暈」の正しい読み方
1-1. 読み方は「めまい」
「眩暈」は「めまい」と読みます。漢字は難しく見えますが、日常会話で使う「めまい」の漢字表記です。一般的な文章ではひらがなで表記されることが多く、漢字表記はやや文語的・医学的な印象を与えます。
1-2. それぞれの漢字の読みと意味
「眩」は「くらむ」「まぶしい」などの意味を持ち、「暈」は「かさ」「ぼんやりとした光」などを意味します。両者が組み合わさって「視界や意識が不安定な状態」を表現するのが「眩暈」です。
2. 「眩暈」の意味と症状
2-1. 平衡感覚の乱れやふらつき
「眩暈」とは、視界が揺れる、目の前が回る、体がふらつくなどの感覚異常を表す言葉です。回転性や浮遊感、立ちくらみなどが含まれます。
2-2. 一般的な症状の例
・視界が回って見える
・足元がふらついて歩けない
・立ち上がるとクラッとする
・吐き気や冷や汗を伴うこともある
3. 「眩暈」の使い方と文例
3-1. 日常会話での例
「今日は寝不足で眩暈がひどい」
「朝、立ち上がった瞬間に眩暈がして転びそうになった」
3-2. 文学的・比喩的な表現
「彼女の美しさに眩暈がするほどだった」
「現実感を失い、眩暈のような感覚に包まれた」
4. 医療・専門用語としての「眩暈」
4-1. 診断名としての使用
「良性発作性頭位眩暈症」「前庭性眩暈」など、耳や脳、自律神経に関係する疾患の診断名として使われます。
4-2. 頻繁に起きる場合は受診を
めまいは一時的な疲れやストレスでも起こりますが、頻繁な眩暈や回転性の眩暈がある場合は、内科や耳鼻科、神経内科などでの診察が推奨されます。
5. 類語・言い換えとの違い
5-1. 立ちくらみとの違い
「立ちくらみ」は起立性低血圧などにより、立ち上がった瞬間に脳の血流が減ることで起こる症状です。一時的なもので、数秒でおさまるのが特徴です。
5-2. ふらつきやくらくらとの違い
「ふらつき」や「くらくら」は「眩暈」に比べて軽度の表現で、より日常的に使われます。症状が軽い場合にはこれらの言葉が自然です。
6. 英語での「眩暈」の表現
6-1. dizziness
一般的な「めまい」は英語で「dizziness」と表現されます。ふわふわした感じ、立ちくらみのような症状を広くカバーします。
例文
I feel dizziness after standing up.
I had dizziness all day yesterday.
6-2. vertigo
「vertigo」は特に回転性の強い眩暈を指します。耳の内耳の異常や神経系の疾患に関連して使われる医学的表現です。
7. 眩暈を使う際の注意点
7-1. 常用漢字ではない
「眩暈」は常用漢字に含まれていないため、公文書や報道では「めまい」とひらがなで表記されるのが一般的です。日常会話や軽い文章ではひらがなが自然です。
7-2. 医療現場では具体的な症状説明が大切
「眩暈がする」と伝えるだけではなく、「ふわふわする」「回って見える」「立ち上がると起きる」など、具体的な状態を付け加えることで、医師が正確な診断を行いやすくなります。
8. まとめ
「眩暈」は「めまい」と読み、体のバランス感覚が崩れた状態や視界が不安定になる状態を意味する言葉です。漢字は難しいものの、意味は非常に日常的で、多くの人が経験する感覚でもあります。表記には「めまい」とひらがなを使うのが一般的ですが、文語的な雰囲気を出したいときには「眩暈」と漢字で書くこともできます。正しい読み方と意味を押さえて、適切に使いこなせるようになりましょう。