「彼の挙動が不審だった」「プログラムの挙動が変わった」など、日常会話やビジネス、IT分野で耳にする「挙動(きょどう)」という言葉。やや硬い印象がありますが、正確に使い分けられると便利な表現です。この記事では、「挙動」の意味、用法、具体例、類語との違いまでわかりやすく解説します。

1. 「挙動」とは何か

1-1. 定義

「挙動(きょどう)」とは、**人や物の動き・振る舞い・動作の様子**を意味する言葉です。 ・人間の行動や様子 ・機械やシステムの反応や動作 の両方に使われます。

1-2. 漢字の意味

・「挙」=あげる、動かす、ふるまう ・「動」=うごく、動作 →「挙動」は、何らかの動きや動作の様子をまとめて示す言葉です。

2. 「挙動」の使い方と例文

2-1. 人に対して

・「挙動が怪しい男が駅前に立っていた」 ・「彼女の挙動から、何かを隠していると感じた」 → 動作・しぐさ・表情などの全体的な様子を含む

2-2. 機械・プログラムに対して

・「アップデート後、アプリの挙動がおかしい」 ・「このスクリプトの挙動を確認してください」 → ソフトウェアやシステムの反応や処理の様子を示す

2-3. 抽象的な対象にも使える

・「市場の挙動が読みづらい」 → 株式や為替の動きのような「変化・反応」にも使われる

3. 「挙動」の類語と違い

3-1. 行動

→ 意図や目的をもった動作や実際の動き → 挙動はその「様子」や「観察される動き」全体を含む 例:行動=「遅刻した」/挙動=「そわそわして時計を見るなどの一連の動作」

3-2. 動作

→ 身体や機械などの具体的な動きそのもの → 挙動はその動作の傾向やパターンも含めた表現

3-3. ふるまい

→ 他人との関係の中での行動の仕方に重点 → 挙動は第三者視点で「どんな様子か」を指す中立的表現

4. 「挙動」が使われる場面

4-1. ビジネス・管理の現場

・新入社員の挙動チェック ・ユーザーの挙動ログ分析

4-2. IT・テクノロジー分野

・アプリケーションの異常挙動 ・ブラウザの挙動変更による不具合

4-3. 警備・防犯・心理分析

・不審者の挙動を監視する ・相手の挙動から心理状態を読み取る

5. まとめ:「挙動」は“振る舞い全体”をとらえる言葉

「挙動」とは、人や物、プログラムなどの一連の動きやふるまいの全体像をとらえる表現です。日常生活だけでなく、ビジネス、IT、心理分析の分野でも幅広く使われます。「行動」や「動作」などの類語と比較して、より客観的で中立的なニュアンスを持つ点が特徴です。意味と使い方をしっかり理解しておけば、さまざまな場面で的確な表現ができるようになります。

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