ニュースや法律用語の中で見かけることのある「幇助(ほうじょ)」。一見すると難しそうなこの言葉ですが、特に刑法では重要な役割を果たします。日常会話ではあまり使われない言葉ですが、意味や使い方を正しく理解しておくことで、ニュースや判例などの内容を正確に捉えられるようになります。本記事では、「幇助」の意味、使い方、法律との関係、類語との違いまでわかりやすく解説します。

1. 「幇助」とは何か

1-1. 意味

「幇助(ほうじょ)」とは、**他人の行為を手助けすること、特に違法行為や犯罪の実行を助けること**を意味します。 → ただし、幇助自体が必ずしも犯罪であるとは限らず、文脈によって意味が異なります。

1-2. 語源

「幇」=助ける、「助」=支える → 二重に「助ける」意味が込められており、**強く援助するニュアンス**があります。

2. 刑法における「幇助」の定義

2-1. 刑法第62条

日本の刑法では、「幇助」は共犯の一種とされており、以下のように定義されています: **「正犯を幇助した者は、従犯として処罰される」** → 主犯の犯罪実行を物理的・精神的に補助した人物も、罰せられる対象になります。

2-2. 幇助の具体例

・犯罪の道具を提供する ・逃走手段を用意する ・実行前に情報を与える ・見張り役を務める → 実際に犯罪行為をしていなくても、手助けが「幇助」にあたることがあります。

3. 日常での使い方と例文

3-1. 法的文脈以外での使用はまれ

「幇助」は法律や報道の中で使用されることが多く、一般会話ではほとんど使われません。

3-2. ニュース例

・「被告人は殺人罪の幇助に問われている」 ・「不正アクセス幇助の疑いで逮捕された」

3-3. 書き換え例

・「犯罪を手助けした」=「犯罪を幇助した」 ・「実行犯ではないが幇助にあたる」=「共犯者として扱われる可能性がある」

4. 類語・関連語との違い

4-1. 共犯

→ 複数人で一つの犯罪を実行した場合の総称 → 幇助は共犯の一種(従犯)

4-2. 教唆(きょうさ)

→ 犯罪を「そそのかしてやらせること」 → 幇助は実行の補助だが、教唆は心理的誘導

4-3. 協力・援助

→ 一般的な手助けには「協力」「援助」が使われ、「幇助」は法的に限定的な使い方がされる

5. 幇助が問題となるケース

5-1. SNSでの情報共有

→ 違法行為(薬物の入手方法など)を拡散すると、幇助に問われる可能性がある

5-2. 未成年の犯罪幇助

→ 親や大人が知らずに道具や情報を提供していた場合でも、幇助と判断されることがある

5-3. 企業内の不正行為

→ 不正経理や脱税などで、関係者が処罰される際に幇助罪が問われることがある

6. まとめ:「幇助」は法的責任を問われる重要なキーワード

「幇助」は、日常会話にはあまり登場しませんが、ニュースや法律文書では非常に重要な用語です。特に刑法では、犯罪の実行を助けた人も処罰される可能性があり、その範囲は意外に広いのが特徴です。類語との違いや使い方を正しく理解しておくことで、法的な文脈をより正確に読み取れるようになります。

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