「ディグリー(degree)」という言葉は、学歴や学位に関わる場面でよく使われますが、英語圏では他にもさまざまな意味を持ちます。本記事では「ディグリー」の基本的な意味から、ビジネス・教育・音楽など各分野での使われ方まで、丁寧に解説します。

1. ディグリーとはどういう意味?

「ディグリー(degree)」とは、英語で「程度」や「段階」、あるいは「学位」などを意味する言葉です。カタカナ語として使われる際には、特に「大学で取得する学位」を指すことが多いですが、実際にはそれ以外の意味も含まれます。

1.1 英語における原義

「degree」という英単語は以下のような複数の意味を持ちます。

学位(例:Bachelor's degree=学士号)

程度・度合い(例:to some degree=ある程度)

温度や角度の単位(例:30 degrees Celsius)

等級や段階(例:third-degree burn=三度熱傷)

日本語で「ディグリー」と使われる場合は、これらの中で「学位」もしくは「程度」として使われるケースが多いです。

2. 学歴としての「ディグリー」

日本語で最もよく使われるのが、「ディグリー=大学で取得する学位」という意味です。海外大学の学位制度を語る際にも必須の用語です。

2.1 主な学位の種類

Bachelor’s degree(学士):大学卒業レベルの学位

Master’s degree(修士):大学院前期課程修了者に与えられる

Doctoral degree(博士):研究成果に基づいて授与される最上位の学位

これらはいずれも「ディグリー」の一種であり、履歴書や職歴の記述においても重要な役割を果たします。

2.2 海外留学との関係

海外での大学・大学院留学では、「どのディグリーを取得するか」が非常に重要です。たとえばアメリカでは、大学卒業を意味する「Bachelor's degree」が就職や大学院進学の条件になることが多くあります。

3. ビジネスでのディグリーの活用

「ディグリー」はビジネスシーンでも使われることがありますが、意味がやや異なります。「スキルの度合い」「成熟度」「貢献度合い」などを表す際に用いられます。

3.1 成熟度や段階を表す

たとえばプロジェクトマネジメントやマーケティング分野では、

「自動化のディグリーが高い」

「その戦略はある程度の成功ディグリーを持つ」

といった表現が使われます。ここでは「程度」「達成度」などの意味合いです。

3.2 スキルや経験の段階を示す

「リーダーシップのディグリーを評価する」

「業界知識のディグリーが足りない」

このように、定量化しにくい要素の「高さ・深さ」を評価する際に用いられるのが特徴です。

4. 音楽や数学におけるディグリー

「ディグリー」という言葉は、音楽理論や数学の専門分野でも使用されます。これらは一般的な会話ではあまり登場しませんが、専門用語としての意味を知っておくと便利です。

4.1 音楽理論での「ディグリー」

音階における各音の位置を「ディグリー」と表現します。

1st degree(主音)

2nd degree(2度音)

3rd degree(3度音)

など、コード進行やスケールの解説で用いられます。

4.2 数学での「ディグリー」

数学では、関数や多項式の次数を表す際に「ディグリー」を使います。

2次関数(2nd degree polynomial)

3次関数(3rd degree)

また、グラフ理論では「頂点に接続された辺の数」も「degree」と呼ばれます。

5. ディグリーと混同されやすい言葉

カタカナ語の「ディグリー」は、他のビジネス用語や学術用語と混同されやすいため注意が必要です。

5.1 グレードとの違い

「グレード(grade)」は等級や評価の意味で使われます。例としては「製品グレード」や「成績グレード」がありますが、「ディグリー」はどちらかというと段階や学位を指します。

5.2 レベルとの違い

「レベル」は能力や状態の高さを比較する際に使われますが、「ディグリー」はより形式的・制度的な段階や単位を指す傾向があります。

6. 日本でのディグリーの活用例

日本においても、「ディグリー」という言葉は留学・教育・ビジネスの文脈で徐々に使われ始めています。

6.1 ダブルディグリープログラム

複数の大学が共同で学位を授与する「ダブルディグリー(Double Degree)」は、特に国際的な教育機関で注目されています。学生は2つの学位を取得でき、キャリアの幅が広がります。

6.2 MBAや専門職学位

ビジネススクールで取得する「MBA(Master of Business Administration)」もディグリーの一種です。また、法学修士(LL.M)や教育学修士(M.Ed)などの専門職学位も同様です。

7. まとめ

「ディグリー(degree)」は、学位・程度・段階などを意味する多義的な言葉です。日本語で使われる場合は主に「学位」を指しますが、英語圏ではビジネスや音楽、数学などさまざまな分野で用いられています。

文脈に応じて正しく使い分けることで、より専門性や説得力のある表現が可能になります。今後、留学やキャリアの選択肢として「ディグリー」が関わる機会はますます増えていくでしょう。

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