日常会話でもビジネスの場でも頻繁に使われる「良いと思う」という言葉。しかし、場面によっては少しカジュアルに聞こえたり、表現として曖昧になったりすることがあります。特にビジネスシーンや改まった場面では、より丁寧で具体的な言い回しが求められることが多いでしょう。
この記事では、「良いと思う」の意味やニュアンスをふまえた上で、場面別に適した言い換え表現や使用例をご紹介します。
「良いと思う」の基本的な意味と特徴
「良いと思う」とは、「好ましいと感じる」「適していると判断する」といった意味を含みます。自分の意見をやわらかく伝えたいときに便利な表現であり、会話の中では使い勝手の良いフレーズです。
ただし、曖昧で主観的な印象を与える場合があり、特にビジネスの場では、より明確で丁寧な言い換えが望まれることがあります。
言い換え表現と使用シーン
1. 問題ないと思う →「差し支えないかと存じます」
この表現は、相手の提案に対して肯定的な立場を丁寧に伝えたいときに使います。
例文:
* 「そのご案内内容で差し支えないかと存じます」
* 「ご提案の方向性で進めていただいて問題ございません」
2. 賛成です →「賛同いたします」「共感いたします」
意見や考えに賛成する意思を表すとき、「良いと思う」よりもはっきりとした賛成の姿勢を示します。
例文:
* 「そのご意見に賛同いたします」
* 「おっしゃる内容に深く共感いたしました」
3. 良さそう →「有用だと考えます」「有効と捉えております」
提案内容や新しい施策などに対して肯定的な見解を伝える場合、少し客観的な言い換えを用いると信頼感が増します。
例文:
* 「この施策は非常に有用だと考えております」
* 「今後の展開においても有効な手段かと存じます」
4. 気に入った →「好印象を抱いております」「魅力を感じております」
感情的な表現を丁寧に置き換えることで、場にふさわしい語調になります。
例文:
* 「貴社のご対応には非常に好印象を抱いております」
* 「このご提案には大きな魅力を感じております」
5. そのままでいいと思います →「現状維持が望ましいかと存じます」
現状を肯定したいときに、上品に意見を伝える表現です。
例文:
* 「現時点では変更の必要はないと考えております」
* 「現状維持が最も適切かと存じます」
メールでの活用例
件名:会議日程のご提案について
〇〇様
お世話になっております。
ご提示いただいた日程案につきまして、特に問題はないかと存じます。
つきましては、その日程で進行させていただければ幸いです。
何卒よろしくお願い申し上げます。
敬具
柔らかく伝えたいときの言い換え
「良いと思う」には、相手を否定せずに肯定するという柔らかさがあります。そのニュアンスを保ちつつ、より敬意のある言い換えが以下のように考えられます。
* 「よろしいのではないでしょうか」
* 「その方向で進めるのがよろしいかと存じます」
* 「一案として非常に有効だと思われます」
まとめ
「良いと思う」は便利な表現ですが、ビジネスでは場面や相手に応じて、より丁寧で正確な言い換えが求められます。
ポイント:
* 丁寧に肯定する:「差し支えないかと存じます」
* 賛同を示す:「賛同いたします」
* 提案を評価する:「有用だと考えます」
* 感情を丁寧に伝える:「魅力を感じております」
表現の幅を広げることで、文章や会話に深みが出ると同時に、信頼や品位のある印象を与えることができます。言い換えを自在に使いこなし、伝えたいことをより的確に、丁寧に伝えられるよう心がけましょう。