「意見具申」という表現は、ビジネスシーンや公的な場面で使われる、非常にフォーマルな言葉です。自分の意見や提案を、目上の人や組織に対して丁寧に申し出るときに用いられます。しかし、日常的な会話ではあまり馴染みがないため、正確な意味や適切な使い方を理解しておくことが重要です。本記事では、「意見具申」の意味、使い方、具体的な例文、注意点について詳しく解説します。

1. 「意見具申」とは何か

1.1 意味

「意見具申」とは、
「自分の意見や考えを目上の人、組織、上層部に対して丁寧に申し述べること」
を意味します。

- 「意見」は自分の考えや提案
- 「具申」は「具体的に申し述べる」という意味

つまり、「単なる意見を述べる」のではなく、具体的な提案や考えをきちんと整理して、上に向かって申し出る行為を指します。

1.2 使用される主な場面

- 企業の会議や経営会議
- 公務員や行政機関での報告書
- 大規模プロジェクトにおける提案活動
- 社内制度改革に関する提言


「新しい業務改善案について、意見具申させていただきます。」
「現行制度の見直しについて、意見具申を行いました。」

2. 「意見具申」の使い方とビジネスにおける例文

2.1 社内提案に使用する場合

件名:新業務フローに関する意見具申
本文
〇〇部長
お疲れ様です。△△部の□□です。
このたび新たに導入された業務フローにつきまして、現場の運用上いくつか課題が見受けられました。
つきましては、別添の資料に基づき、改善案について意見具申させていただきたく存じます。
お忙しいところ恐縮ですが、ご確認のほどお願い申し上げます。

2.2 プロジェクト改善提案時

件名:プロジェクト進行に関する意見具申
本文
〇〇様
いつもお世話になっております。
現在進行中の〇〇プロジェクトにおきまして、進行管理の効率化に向けた改善策について意見具申させていただきます。
詳細は添付資料をご参照ください。
ご検討のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。

2.3 行政文書での使用例

「本施策に対する改善案について、担当部より意見具申いたします。」
「条例改正案に関する意見具申を受け付け、検討を進めます。」

3. ビジネスで使える丁寧な言い換え表現

3.1 ご提案申し上げます

やや柔らかく、商談や社外向けにも使いやすい表現です。


「本件につきまして、以下のとおりご提案申し上げます。」

3.2 ご意見を述べさせていただきます

より口語的で、社内外問わず幅広い場面で使えます。


「会議の場をお借りして、私からもご意見を述べさせていただきます。」

3.3 ご意向を伺いつつご提言いたします

相手の意向に配慮しながら、自分の意見を申し出るニュアンスを強調する場合に適しています。


「皆様のご意向を伺いつつ、改善策をご提言させていただきます。」

4. 口頭やチャットでの自然な使い方

4.1 口頭での一言

「本件について、少し意見具申させていただけますでしょうか。」
「新制度に関し、現場からの意見を具申させていただきます。」

4.2 社内チャットやメッセージで

「会議用に意見具申したい事項をまとめましたので、ご確認お願いいたします。」
「制度改定に向けた意見具申を行いたく、資料を作成中です。」

5. 使用時の注意点

5.1 相手を敬う姿勢を忘れない

「意見具申」はあくまで目上の相手に対して行う行為であり、伝え方には最大限の敬意を払う必要があります。
命令口調や押しつけがましい言い方にならないよう注意しましょう。

5.2 内容は具体的かつ簡潔にまとめる

ただ意見を述べるだけではなく、現状の問題点、提案の内容、期待される効果を整理してわかりやすく伝えることが大切です。

5.3 タイミングを考慮する

意見具申は、相手の忙しさや状況を考えたうえで行うことが望ましいです。
急ぎでない場合は、事前にアポイントを取るなど配慮を示すと印象が良くなります。

6. まとめ

「意見具申」は、目上の相手や組織に対して、自分の考えや提案を丁寧に申し述べる行為を指します。
ビジネスでは特に、具体的で簡潔な内容、敬意を払った伝え方、適切なタイミングが重要です。
場面に応じて「ご提案申し上げます」「ご意見を述べさせていただきます」などの表現も使い分けながら、誠実で円滑なコミュニケーションを心がけましょう。

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