「執り行う」という表現は、儀式や重要な行事の際に使われることが多い言葉ですが、ビジネスシーンでもよく見かけます。しかし、適切な使い方を知らないと、逆に失礼になったり、不自然に聞こえたりすることがあります。この記事では、「執り行う」の意味や使い方、ビジネスでの活用方法を例文とともに解説します。

1. 「執り行う」とは?基本的な意味を理解しよう

1.1 「執り行う」の語源と意味

「執り行う(とりおこなう)」は、何かを行う際に用いる非常に丁寧な表現です。この言葉は主に儀式や重要な行事、式典などで使われます。「取り仕切る」という意味を含んでおり、何かを主催して進めるというニュアンスがあります。

1.2 「行う」との違い

「行う」と「執り行う」は、両者とも「する」や「実施する」という意味ですが、「執り行う」はよりフォーマルで丁寧な表現です。特にビジネスや公式な場面で使うことが多いです。

2. ビジネスシーンでの「執り行う」の使い方

2.1 使用される代表的な場面

「執り行う」は、主に以下のような場面で使われます:
社内や取引先に対する式典の案内や報告

就任式、表彰式、定例のミーティングや行事など

慶弔関連(葬儀の告知や案内)

重要な会議やイベントの案内文書

2.2 使用例文

- 弊社創立50周年記念式典を、下記の通り執り行います。 - 先日、取締役就任式を執り行いましたことをご報告申し上げます。 - 弊社において〇〇様の葬儀を下記の通り執り行いました。

2.3 メールや文書での使い方のポイント

- 「執り行う」は、公式な文書やビジネスメールで使用する表現です。カジュアルなメールには不適切です。 - 相手に敬意を表する言い回しのため、感謝の意を伝えたり、儀式や行事の内容について具体的に述べたりすることで、文書の格を保つことができます。

3. 「執り行う」の正しい敬語表現と注意点

3.1 「執り行いました」と「執り行わせていただきました」の違い

「執り行いました」は、丁寧な過去形で一般的に使用される表現です。一方、「執り行わせていただきました」は、さらにへりくだった表現で、相手への感謝や配慮を強調したい時に使います。
例:

〇〇式を執り行いましたので、ご報告申し上げます。

〇〇式を執り行わせていただきましたことをご報告申し上げます。

3.2 「執り行う」の誤用に注意

「執り行う」は、通常「行う」や「実施する」といった意味で使われますが、日常的なカジュアルな会話や職場の軽い会議などでは使わないようにしましょう。また、他の人の行事を「執り行っていただく」などという表現は誤用です。注意が必要です。

4. 「執り行う」の言い換え・類語表現

4.1 場面に応じた言い換え表現

「執り行う」と同じような意味を持つ言葉を使い分けることで、文章のバリエーションが増えます。例えば、式典を「実施する」「開催する」「挙行する」などと表現できます。状況に応じて適切な言い回しを選びましょう。

4.2 言い換え表現を使った例文

- 弊社の創立記念式典を実施いたしましたことをご報告申し上げます。 - 新年の安全祈願祭を挙行いたしましたので、今後ともご支援賜りますようお願い申し上げます。 - 取引先との会議を開催いたしました。

5. 実際のビジネスメールでの例文集

5.1 式典の案内文例

--- 件名:【ご案内】創立記念式典のご案内 〇〇様 お世話になっております。 弊社では創立〇周年を迎えるにあたり、下記の通り記念式典を執り行います。 ご多忙の折とは存じますが、何卒ご臨席賜りますようお願い申し上げます。 ---

5.2 式典の報告文例

--- このたび、弊社にて創立記念式典を執り行いました。今後とも社員一同、さらなる努力を重ねてまいりますので、変わらぬご支援を賜りますようお願い申し上げます。 ---

5.3 慶弔文の例文

--- 故〇〇〇〇儀、〇月〇日に永眠いたしました。 通夜および葬儀告別式を下記の通り執り行いましたことをご報告申し上げます。 ---

6. よくある質問(FAQ)

6.1 Q:「執り行う」はカジュアルな場面でも使えますか?

A:いいえ、「執り行う」は非常にフォーマルで丁寧な表現なので、カジュアルな社内の会話や軽い打ち合わせでは不適切です。一般的に公式な場面で使用します。

6.2 Q:「とりおこなう」と「とりいく」は何が違いますか?

A:「とりおこなう(執り行う)」は公式の行事や儀式で使う言葉で、実際にそれを行うという意味です。「とりいく」は「取りに行く」などの物理的な動作を指すため、意味が異なります。

6.3 Q:メールでのフォーマルな締めの言葉は?

A:「以上、〇〇式を執り行いましたことをご報告申し上げます。今後とも何卒よろしくお願いいたします。」などが適切な締めの言葉です。

7. まとめ:「執り行う」は格式ある丁寧表現。適切な場面で使おう

「執り行う」は、主に儀式や公式な行事に使われる格式のある丁寧語で、ビジネスシーンでも非常に役立つ表現です。ただし、カジュアルな場面では使わないように注意が必要です。適切な使い方をマスターし、相手に敬意を示すために活用しましょう。

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