「彼女は容姿端麗で頭も良い」「容姿端麗な人材を求めています」など、履歴書や小説、人物紹介などで見かけることの多い「容姿端麗」という表現。美しさや整った外見を指すこの言葉には、礼儀や姿勢といった内面も含意されることがあります。本記事では、「容姿端麗」の意味、語源、使い方、類語との違い、注意点までを丁寧に解説します。
1. 「容姿端麗」とは?
1.1 意味の定義
「容姿端麗(ようしたんれい)」とは、顔立ちや体つきが整っていて、見た目が非常に美しいことを表す四字熟語です。「容姿」は外見全般、「端麗」は上品で整っていることを意味し、これらが合わさって「洗練された美しさ」を表現しています。
1.2 男女問わず使える表現
「容姿端麗」は女性に使われることが多いものの、男性に対しても違和感なく使用できます。美形・整った顔立ち・姿勢の良さなど、外見全体が優れている印象を与えます。
2. 語源と構成
2.1 「容姿」とは
「容」は顔や姿を意味し、「姿」は立ち居振る舞いや形を指します。つまり「容姿」は見た目全体の印象ということになります。
2.2 「端麗」とは
「端」は正しく整っていること、「麗」は美しいことを意味します。「端麗」は上品で整った美しさを表す言葉です。
3. 使い方と例文
3.1 一般的な使用例
- 彼女は容姿端麗で、誰もが振り返るほどだった。
- 容姿端麗な新入社員が入ってきたと社内で話題になった。
3.2 フォーマルな表現として
履歴書やエントリーシートなどでは、「性格温厚、容姿端麗」といった表現が使われることもあります。ただし、現代ではやや時代がかった表現とされる場合もあるため、注意が必要です。
3.3 小説やドラマなどでの表現
文学作品や映像作品では、登場人物の第一印象を表す際によく登場します。「容姿端麗、成績優秀な彼女は、学園のアイドル的存在だった」といった形です。
4. 類語と比較
4.1 美男美女
「容姿端麗」はややフォーマルな表現であるのに対し、「美男美女」は日常的・口語的な表現です。
4.2 端正な顔立ち
「端正」は特に顔の整い具合に焦点を当てた表現です。一方、「容姿端麗」は顔立ちに加え、体全体の姿勢や雰囲気にも言及できます。
4.3 見目麗しい
「見目麗しい」は古語的で文学的な表現です。より柔らかく上品な印象を与える言い回しですが、現代ではあまり一般的ではありません。
5. 注意すべき使い方
5.1 主観的評価に注意
「容姿端麗」は見た目の美しさに関わる表現のため、使い方によっては差別的・表面的と捉えられる可能性もあります。相手の容姿に対する評価を前提とするため、シチュエーションを選ぶことが大切です。
5.2 現代的な価値観とのずれ
採用条件やプロフィールで「容姿端麗」を強調しすぎると、見た目重視と受け取られかねません。近年では「清潔感のある」「印象が良い」など、よりニュアンスの柔らかい表現が好まれる傾向があります。
6. 現代での使い方のコツ
6.1 文語調・比喩的な表現として
会話よりも文章やナレーションなど、少し改まった文脈で使うのが自然です。「容姿端麗」という言葉には格式のある響きがあるため、丁寧で落ち着いた文体との相性が良いです。
6.2 補足説明を加える
「容姿端麗なだけでなく、心遣いも素晴らしい」など、内面への言及を含めることで、バランスのとれた表現になります。人物像を立体的に伝える手段として効果的です。
7. まとめ
「容姿端麗」とは、顔立ちや姿勢、全体的な外見の美しさを指す表現で、格式や品格を伴った褒め言葉として使われます。男女問わず使用可能で、フォーマルな場面や文学的な表現に適しています。
ただし、見た目の評価を含むため、使う場面や相手への配慮も必要です。内面の魅力とセットで用いることで、より誠実かつ豊かな表現が可能になります。
美しさは多様であり、単に整った顔立ちを褒めるだけでなく、その人の持つ全体の雰囲気や魅力に目を向けて、言葉を選ぶことが重要です。「容姿端麗」という言葉を丁寧に扱い、相手を尊重する表現を心がけましょう。