「ご恵贈(けいぞう)」という表現は、相手から贈り物や資料などを丁重にいただいた際に用いる感謝の言葉です。特にビジネス文書やお礼状、フォーマルなメールの中で使われることが多く、相手への敬意をしっかりと示せる表現です。この記事では、「ご恵贈」の意味、使い方、似た表現との違い、具体的な文例まで丁寧に解説します。

1. 「ご恵贈」の意味

1-1. 基本の意味

「ご恵贈」は、「恵み贈られる」と書き、相手が自分に何かを好意で贈ってくれたことに対して感謝の気持ちを示す敬語表現です。
特に、本・資料・贈答品など、儀礼的な贈り物に対して使われることが一般的です。

1-2. 使用される主な場面

・書籍・冊子・資料などを受け取ったとき
・企業や団体からの贈り物(記念品、粗品など)へのお礼
・公的な文書やビジネスメールでの丁重な御礼文

2. 「ご恵贈」の使い方

2-1. 基本的な使い方

・このたびは貴著をご恵贈いただき、誠にありがとうございました。
・ご多忙の折、資料をご恵贈賜り厚く御礼申し上げます。

2-2. ビジネスメールでの使用例

件名:【御礼】資料ご恵贈の御礼
本文:
〇〇様
いつも大変お世話になっております。〇〇株式会社の△△でございます。
このたびは、貴重な資料をご恵贈賜り、誠にありがとうございました。
今後の業務に活用させていただきたく存じます。
末筆ながら、貴社の益々のご発展を心よりお祈り申し上げます。

2-3. 口頭での使用例(まれ)

※「ご恵贈」は書き言葉として使われるのが一般的です。
口頭では「いただいた資料、ありがとうございました」など、より自然な表現に置き換えます。

3. 丁寧な言い換え表現

3-1. 同じ意味を持つ敬語表現

・ご高配を賜りありがとうございます
・ご送付いただき誠にありがとうございます
・ご厚意に深く感謝申し上げます

3-2. 文例で比較

このたびはご恵贈賜り、厚く御礼申し上げます
このたびはご高配を賜り、心より感謝申し上げます
資料のご送付、誠にありがとうございました

4. 使用時のポイントと注意点

4-1. 目上の相手やフォーマルな場に適している

「ご恵贈」は極めて丁寧で格式ある表現のため、上司、顧客、取引先、研究者など、敬意を払うべき相手に対して使います。

4-2. 物理的な「贈り物」に限って使う

資料・本・品物など実体のあるものを贈られた際に使う表現です。
抽象的な支援や言葉を受けた際には、「ご厚情」「ご高配」「ご助言」など別の言葉を使いましょう。

4-3. 感謝の文脈に限定して使う

「ご恵贈」は相手の行為に感謝を伝えるときのみに使用します。
単に「贈られた」ことを事実として述べる場合は「ご送付いただいた」などに言い換えましょう。

5. よくある質問

5-1. 「ご恵贈いただき」と「ご恵贈賜り」の違いは?

どちらも意味は同じですが、「賜り」はより格の高い謙譲語です。
特に目上の方に対しては「ご恵贈賜り」の方が丁寧です。

5-2. 電子データでも「ご恵贈」は使える?

原則として紙の資料や物品に対して用いますが、PDFやeBookなど正式な資料を丁重に送ってもらった場合には「ご恵贈」を使うこともあります。

5-3. 「ご恵贈ありがとうございました」だけでメールを締めても大丈夫?

ビジネスメールでは、「感謝→今後の活用や関係維持→締めの挨拶」の構成にすることで、より丁寧な印象になります。
例:
・今後の業務に活かしてまいります。引き続きよろしくお願い申し上げます。

6. 実践的な文例集

6-1. 書籍をご恵贈いただいた場合

・このたびは、ご著書をご恵贈賜り、誠にありがとうございました。今後の研究に活用させていただきます。

6-2. 展示会の記念品を受け取った場合

・展示会の記念品をご恵贈いただき、厚く御礼申し上げます。御社のご発展を心より祈念いたします。

6-3. 資料送付への感謝メール

・このたびは貴重な資料をご恵贈賜り、誠にありがとうございました。今後の社内共有に活用させていただきます。

まとめ

「ご恵贈」は、相手の贈り物や資料などに対して、敬意と感謝をもって用いる丁寧な表現です。
ビジネスや公的なやり取りでは、相手との信頼関係を築くうえでも重要な一言となります。
シーンに合わせて「賜り」や「いただき」などの使い分けを意識し、感謝の気持ちを丁寧に伝えることで、好印象を与えることができるでしょう。

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