「踏まえて(ふまえて)」は、ビジネス文書や会話の中で非常によく使われる表現のひとつです。「〜を根拠にして」「〜を考慮したうえで」という意味を持ち、相手とのやり取りや前提情報に基づいて次の行動や判断を伝える際に使われます。この記事では、「踏まえて」の意味と使い方、ビジネスに適した例文、言い換え表現、注意点までをわかりやすく解説します。
1. 「踏まえて」の意味
1-1. 基本の意味
「踏まえて」は、「ある事実・状況・意見などを考慮したうえで次の行動や判断をする」という意味です。
例:
・会議での意見を踏まえて、計画を見直します。
・お客様の声を踏まえて、サービス内容を改善しました。
1-2. ビジネスでの役割
・前提情報を伝える
・文脈のつながりを明確にする
・根拠ある判断や対応を印象づける
このように、「踏まえて」は論理性と配慮のある語り口として好まれます。
2. ビジネスでの使用例
2-1. 会議・報告書での例
・市場動向を踏まえて、販売戦略を見直す必要があります。
・先日のフィードバックを踏まえたうえで、改善案を提出いたします。
・過去の事例を踏まえて、より実効性の高い提案を行います。
2-2. メールでの例文
・いただいたご意見を踏まえて、以下の通り調整いたしました。
・今後のご対応について、現状の状況を踏まえた上で検討させていただきます。
・貴社のご要望を踏まえまして、別案をご提案いたします。
2-3. プレゼンや説明の中で
・これまでの実績を踏まえ、今後は新たな取り組みに挑戦します。
・お客様のニーズを踏まえて、この製品が生まれました。
3. 丁寧な言い換え表現
3-1. 言い換え例
・〜に基づいて
・〜を考慮して
・〜を受けて
・〜の結果を受けて
・〜を参考にして
・〜に即して
3-2. 言い換え文例
・お客様の声を踏まえて改善を行いました
→ お客様の声を参考にして改善を行いました
→ ご意見を受けて改善策を講じました
・現状を踏まえて対応いたします
→ 現状を考慮して対応いたします
→ 現状に即した対応を進めてまいります
4. 使用時の注意点
4-1. 「踏まえて」の主語に注意
「踏まえて」は動詞的に使われるため、何を「踏まえる」のかが文中で明確である必要があります。主語が曖昧にならないよう「ご意見を踏まえ」「報告を踏まえ」と具体的に記載しましょう。
4-2. 書き言葉と話し言葉の差
「踏まえて」は書き言葉として自然な表現です。話し言葉ではやや硬く聞こえる場合があるため、「〜を考慮して」「〜に沿って」などに柔らかく置き換えることも有効です。
4-3. 丁寧さを加えたバリエーション
・〜を踏まえたうえで〜
・〜を踏まえつつ〜
・〜を踏まえまして〜
これらを使うと、より文書全体が丁寧になります。
5. よくある質問
5-1. 「踏まえて」は敬語になる?
「踏まえて」自体は敬語ではなく、中立的な表現です。丁寧に使いたい場合は「〜を踏まえまして」「〜を踏まえたうえで検討いたします」などと補うことで、敬語表現になります。
5-2. 社外メールでも使える?
問題なく使えます。ただし、より柔らかさや敬意を出したい場合は「ご意見を参考にしつつ」「ご要望を受けて」といった言い換えも検討すると良いでしょう。
5-3. 堅すぎる表現ではない?
「踏まえて」はビジネスにおいてごく一般的であり、特別堅すぎる印象はありません。ただし、親しい間柄や軽い報告には「考慮して」などの表現にすると自然です。
まとめ
「踏まえて」は、ある事実や状況を前提にして次の判断や対応を示す、論理的かつ丁寧な表現としてビジネスでも広く活用されています。メール、会議、資料作成などさまざまな場面で使える一方で、文脈や相手に応じて「基づいて」「考慮して」などの言い換えも上手に使い分けることが求められます。正確で伝わりやすい文章を意識するうえで、「踏まえて」の適切な使い方をマスターしておくと非常に便利です。