「ご案内」はビジネスメールや案内状でよく使われる言葉ですが、意味や使いどころを正しく理解していないと、不自然な文章になることもあります。本記事では、「ご案内」の使い方、注意点、言い換え表現などを例文付きで詳しく解説します。
1. 「ご案内」の基本的な意味
1. 「案内」に敬語をつけた言葉
「ご案内」は「案内」に丁寧語の「ご」が付いた敬語表現です。基本的には「場所・内容・手続きなどを相手に知らせる」「導く」という意味で使われます。
2. 使う相手は誰でもOK
「ご案内」は尊敬語ではなく丁寧語のため、上司・顧客・同僚など、相手を問わず使える万能表現です。ビジネスでは特にメールや文書の中で重宝されます。
2. 「ご案内」の使い方|基本パターン
1. ご案内いたします
もっとも一般的で丁寧な言い方。
例:「以下の通り、日程をご案内いたします。」
2. ご案内申し上げます
よりフォーマルで、改まった印象を与える表現。
例:「来月開催のセミナーについて、ご案内申し上げます。」
3. ご案内させていただきます
少々くどくなりがちですが、口語ではよく使われます。
例:「担当者より改めてご案内させていただきます。」
4. ご案内の通り
既に送った情報に言及する際に使います。
例:「先日ご案内の通り、◯日に実施いたします。」
5. ご案内をお送りいたします
書面やメールの送付を伝える表現。
例:「詳細は別途ご案内をお送りいたします。」
3. ビジネスメールでの使い方
1. イベント・セミナー案内
「このたび、下記の通りイベントを開催いたしますので、ご案内申し上げます。」
2. 日程・会場の連絡
「ご面談の日程につきまして、以下の通りご案内いたします。」
3. 書類送付・資料説明
「サービス内容についての資料を添付いたしますので、ご案内申し上げます。」
4. 社内向け通知
「新しい勤怠システムの導入に関して、操作方法をご案内いたします。」
4. 注意したい言葉の使い方
1. 「ご案内させていただきます」は二重敬語?
「ご案内」+「させていただく」は厳密には二重敬語とされることがありますが、ビジネスでは広く定着しており、問題なく使用されています。ただし文書が硬くなりすぎる場合があるため、頻繁には使わない方が良いでしょう。
2. 「ご案内します」では軽すぎることも
社外向けやフォーマルな場面では、「いたします」「申し上げます」などを選ぶ方が適切です。
3. 名詞での使用に注意
「ご案内」は動詞だけでなく名詞としても使えますが、前後の文脈に注意が必要です。
例:
誤:「ご案内をご確認ください。」(重複)
正:「添付のご案内をご確認ください。」
5. 類語・言い換え表現
1. ご説明
内容に重点を置きたいとき。
例:「操作手順についてご説明いたします。」
2. お知らせ
通知的な意味で使う場合。
例:「営業時間変更についてお知らせいたします。」
3. ご紹介
新しい商品・サービスなどを伝えるとき。
例:「新商品の機能をご紹介させていただきます。」
4. ご連絡
簡単な伝達事項に使います。
例:「納期変更についてご連絡申し上げます。」
6. 「ご案内」の英語表現
1. inform(知らせる)
例:"We would like to inform you that the event will be held on May 10."
2. guide(案内する)
例:"Our staff will guide you to the meeting room."
3. announcement(案内状、通知)
例:"Please see the attached announcement for more details."
まとめ
「ご案内」は、相手に何かを丁寧に知らせるときに使える、非常に汎用性の高い敬語表現です。使い方によっては「申し上げます」「いたします」などを付けることで、より丁寧さを強調できます。また、通知・説明・紹介など他の言い回しに置き換えることで、文章にバリエーションを持たせることも可能です。相手や場面に合わせて自然で誠実な表現を選びましょう。