「このバッグはとても丈夫だ」「丈夫な体に育ってほしい」など、日常生活でも頻繁に使われる「丈夫(じょうぶ)」という言葉。漢字から何となく意味は伝わりますが、実は身体・物・性格など、使われる対象によって微妙にニュアンスが異なります。この記事では、「丈夫」の意味や用法、類語との違いなどを詳しく紹介します。
1. 「丈夫」の基本的な意味
1-1. 意味の定義
「丈夫」とは、「しっかりしていて壊れにくい」「健康で体が弱くない」といった意味の形容動詞です。
1-2. 読み方と漢字の意味
・読み方:じょうぶ ・漢字: - 「丈」=高さ・しっかりしたさま - 「夫」=人、特に男子を表す
→ もともと「しっかりした男性」の意味が転じて、物や身体に対して使われるようになりました。
2. 用法と使用例
2-1. 物に対して使う
・「この机はとても丈夫だ」 ・「プラスチック製より金属製のほうが丈夫です」 → 強度や耐久性を評価するときに使用。
2-2. 人の体に対して使う
・「彼は丈夫な体をしている」 ・「子どもが丈夫に育つよう願っています」 → 病気にかかりにくい、健康的な体を表す。
2-3. 抽象的な使い方(やや稀)
・「精神的に丈夫な人」 → 「打たれ強い」「折れない心」といった意味合いで用いることもあるが、少し不自然になることがあるため注意が必要です。
3. 類語との違い
3-1. 丈夫 vs. 頑丈
・「頑丈」=特に物の構造が強固で壊れにくい(物に限定) ・「丈夫」=物にも人にも使える
例:
◯「このカバンは頑丈です」
◯「彼は丈夫な体をしている」
×「彼は頑丈な体をしている(やや不自然)」
3-2. 丈夫 vs. 健康
・「健康」=病気がない、身体・精神の状態が良好であること ・「丈夫」=外部からの刺激にも耐える、壊れにくい体・物
例:
「健康診断で問題なし」→「健康」
「よく食べ、風邪もひかない」→「丈夫」
4. 言い換え表現
4-1. 物に対して
・壊れにくい ・耐久性がある ・長持ちする ・しっかりしている
4-2. 人に対して
・体が強い ・たくましい ・病気に強い ・健康的
5. 使用時の注意点
5-1. 「丈夫すぎる」は文脈に注意
→ 極端な強さが悪いことになる場面は少ないため、「丈夫すぎる」はあまり使われません。
5-2. 人に対して使う場合は肯定的に
→ 「丈夫な子」「丈夫な体」はポジティブな意味として使われますが、乱暴と混同しないように注意しましょう。
6. まとめ:「丈夫」は強さと健やかさを兼ね備えた表現
「丈夫」は、物や体、人の状態が壊れにくく、外的な影響に耐えられるという安心感を伝える言葉です。日常会話からビジネス、育児、医療まで幅広く使える便利な表現ですが、類語との使い分けや文脈にも気をつけて活用しましょう。正しく使いこなせば、表現力の幅が広がります。