「拝啓」は、手紙の書き出しで用いられる最も一般的な頭語です。フォーマルな手紙や個人的な挨拶の場面で使われ、相手に対して敬意を表す役割を果たします。しかし、どのように文章を続ければよいのか、適切な表現やマナーがわからないこともあるでしょう。本記事では、「拝啓」を使った個人向けの手紙の基本的な書き方や、シチュエーション別の例文を紹介します。

1. 「拝啓」とは?

「拝啓」は、手紙の冒頭で用いる敬語の一種で、相手に対して敬意を表す意味を持っています。

1-1. 「拝啓」の基本的な使い方

「拝啓」は、一般的な手紙の書き出しに使われ、「敬具」や「敬白」などの結語とセットで用います。

例:

拝啓 時下ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。

(本文)

敬具

1-2. 「拝啓」を使う際のポイント

  • フォーマルな手紙や改まった挨拶に適している
  • 親しい相手には不要(カジュアルな手紙では使わない)
  • 結語(敬具・敬白)とセットで用いる
  • 時候の挨拶を添えると丁寧な印象になる

2. 「拝啓」を使う手紙の基本構成

「拝啓」を使った手紙は、以下のような構成で書くのが一般的です。

2-1. 書き出しの挨拶

「拝啓」の後に、季節や相手の健康を気遣う挨拶を添えます。

例:「拝啓 春暖の候、いかがお過ごしでしょうか。」

2-2. 本文(要件)

手紙の主旨を述べる部分です。簡潔に伝えることを意識しましょう。

2-3. 締めの挨拶

感謝や健康を気遣う言葉を添えます。

例:「今後とも変わらぬお付き合いをよろしくお願い申し上げます。」

2-4. 結語

手紙の最後には、「敬具」または「敬白」を用います。

3. シチュエーション別「拝啓」を使った例文

「拝啓」を使った手紙の例文を、シチュエーション別に紹介します。

3-1. 近況報告の手紙

拝啓 初夏の風が心地よい季節となりましたが、お元気でお過ごしでしょうか。

私は新しい仕事にも慣れ、充実した日々を過ごしております。先日、○○に行く機会があり、懐かしい思い出がよみがえりました。

また近いうちにお会いできるのを楽しみにしております。

季節の変わり目ですので、くれぐれもご自愛くださいませ。

敬具

3-2. お礼の手紙

拝啓 秋冷の候、いかがお過ごしでしょうか。

先日はお忙しい中、お時間をいただき誠にありがとうございました。久しぶりにお話をすることができ、大変嬉しく思っております。

またお会いできる機会を楽しみにしております。

朝晩の冷え込みが厳しくなりますので、どうぞご自愛ください。

敬具

3-3. お詫びの手紙

拝啓 このたびは、私の不手際によりご迷惑をおかけし、大変申し訳ございませんでした。

深く反省するとともに、今後このようなことがないよう努めてまいります。

改めてお詫び申し上げますとともに、何卒ご寛容のほどお願い申し上げます。

敬具

3-4. 季節の挨拶を兼ねた手紙

拝啓 新緑が美しい季節となりました。いかがお過ごしでしょうか。

私も元気に過ごしております。最近は○○に興味を持ち、充実した時間を過ごしております。

またお会いできる日を楽しみにしております。

これから暑さが厳しくなりますので、どうぞご自愛くださいませ。

敬具

3-5. 目上の方への手紙

拝啓 時下ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。

平素より格別のご厚情を賜り、心より御礼申し上げます。

○○の件につきまして、ご配慮いただき誠にありがとうございました。

引き続き何卒よろしくお願い申し上げます。

敬具

4. 「拝啓」を使う際の注意点

「拝啓」を使う際には、以下の点に注意しましょう。

4-1. 句読点の使用に注意

フォーマルな手紙では、「、」「。」を省略する場合があります。

4-2. 目上の方にはより丁寧な表現を

「拝啓」に加えて、時候の挨拶を工夫し、丁寧な言葉を選びましょう。

4-3. 親しい人にはカジュアルな表現を

親しい間柄では、「拝啓」を使わずに、よりカジュアルな書き出しでも問題ありません。

5. まとめ

「拝啓」は、フォーマルな手紙の書き出しとして適した表現です。本記事の例文を参考にしながら、適切なシーンで使い分けましょう。相手との関係や目的に応じた表現を選ぶことで、より心のこもった手紙を書くことができます。


おすすめの記事