「あります」という言葉は、日本語学習者が最初に覚える基本表現の一つです。日常会話からビジネスまで幅広く使われ、「存在」「所有」「開催」など多様な意味を持ちます。一見シンプルに見えますが、文脈によって意味や使い方が大きく変わります。この記事では、「あります」の正確な意味と使い方、そして「います」との違いをわかりやすく解説します。

1. ありますとは?意味を詳しく解説

「あります」とは、動詞「ある」の丁寧形で、「存在する」「持っている」「行われる」などを意味します。
主に「もの」や「場所」、「イベント」などに対して使われます。

例:
・机の上に本があります。
・お金がありますか?
・明日、会議があります。

つまり、「あります」は「物や出来事が存在している」または「所有している」ことを表す言葉です。

1-1. 読み方と文法

・読み方:あります
・原形:ある(五段動詞)
・活用:連用形+「ます」=あります(丁寧語)

例:
・原形:そこに花がある。
・丁寧形:そこに花があります。

1-2. 英語での表現

文脈によって以下のように訳されます。

・There is / There are(存在する)
・have / has(持っている)
・take place / be held(開催される)

例文:
・There is a book on the table.(机の上に本があります。)
・I have money.(お金があります。)
・There will be a meeting tomorrow.(明日、会議があります。)

2. 「あります」の3つの主な意味

2-1. 存在を表す(ある場所に物が存在する)

最も基本的な意味で、「〜に〜があります」は「物がある場所に存在する」という文を作ります。

例:
・公園にベンチがあります。
・冷蔵庫の中にりんごがあります。
・駅の近くに大きなスーパーがあります。

この使い方では、「あります」は「人以外の存在(物・場所・建物など)」に使われます。

2-2. 所有を表す(持っている)

「〜があります」は、持ち物や財産を表すときにも使われます。

例:
・私は車があります。
・お金がありますか?
・時間があまりありません。

この場合、「〜がある」は英語の「have」と同じ意味になります。

2-3. 開催・発生を表す(行事・出来事が起こる)

イベントや会議、出来事を指すときにも「あります」が使われます。

例:
・明日、テストがあります。
・今日は会議があります。
・夏に花火大会があります。

この使い方では、「〜が行われる」「〜が起こる」という意味になります。

3. 「あります」と「います」の違い

「あります」と「います」はどちらも「存在」を表しますが、対象が異なります。

言葉 使う対象 例文
あります 物・場所・出来事など 机の上に本があります。
います 人・動物など命のあるもの 庭に猫がいます。

つまり、「あります」は「命のないもの」に、「います」は「生きているもの」に使います。

例:
・家の前に木があります。(木は命があるが、人のように動かないため「あります」)
・学校に先生がいます。(人なので「います」)

この区別は、日本語の基本的な特徴の一つです。

4. 「あります」の否定・過去形・疑問形

4-1. 否定形

・ありません(=ないの丁寧形)
例:お金がありません。/時間がありません。

4-2. 過去形

・ありました(=あったの丁寧形)
例:昨日、会議がありました。

4-3. 疑問形

・ありますか?(丁寧な質問)
例:トイレはありますか?/ペンがありますか?

5. ビジネスシーンでの使い方

「あります」はビジネスでも多く使われますが、丁寧な印象を保つために言い換え表現もよく用いられます。

・資料があります → 資料をご用意しております。
・ご質問がありますか → ご不明点はございますか。
・会議があります → 会議が予定されております。

このように言い換えることで、より丁寧で上品なビジネス日本語になります。

6. 「あります」を使った慣用表現

・よくある話(一般的なこと)
・ありがちです(起こりやすい)
・あるある(共感を表す言葉)
・ありがたい(感謝の意を表す派生語)

例:
・そんなことはよくあります。
・学生生活の悩みあるある。
・手伝ってくれて、本当にありがたい。

「あります」から派生したこれらの表現は、日常会話でも非常によく使われます。

7. 類語と対義語

・類語:存在する、ある、所在する、置かれている
・対義語:ない、存在しない、欠けている

例:
・机の上にノートが存在する(=あります)。
・机の上にノートがない(=ありません)。

8. 「あります」という言葉の印象

「あります」は、丁寧で中立的な表現です。
主張が強すぎず、相手に安心感を与える柔らかい言葉として、会話・文章どちらでも使いやすい特徴があります。
また、日本語学習者にとっても基本でありながら応用範囲が広い重要な語です。

9. まとめ

「あります」とは、動詞「ある」の丁寧形で、「物や出来事の存在」「所有」「開催」などを表す言葉です。
命のあるものには「います」、命のないものには「あります」を使い分けます。
場面によっては「ご用意しております」「ございます」と言い換えることで、より丁寧な印象を与えることができます。
日本語の中でも最も基本であり、最も使われる重要な表現の一つです。

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