「レパートリー(repertoire)」という言葉は、芸能・音楽の分野だけでなく、日常会話やビジネスシーンでもよく使われます。「料理のレパートリーが多い」「話のレパートリーが豊富だ」など、幅広い場面で耳にする言葉です。この記事では、「レパートリー」の正しい意味、使い方、言い換え表現、そして英語との違いをわかりやすく解説します。
1. レパートリーとは
「レパートリー」とは、自分が得意としている分野・持っている作品や技術・できることの一覧を指す言葉です。
本来は音楽や演劇の用語ですが、今では日常生活でも広く使われています。
辞書的な定義:
- レパートリー: 芸術家・団体などが上演・演奏できる作品の一覧。また、個人が得意とする技や行動の種類。
つまり、「自分ができること・持っている引き出し」と考えると分かりやすいです。
2. 読み方と品詞
- 読み方:レパートリー
- 品詞:名詞(外来語)
- 英語表記:repertoire(発音:レパトワー/レパトゥワー)
3. 「レパートリー」の使い方と例文
3-1. 芸術・音楽の分野で使う
本来の意味は、演奏家や俳優などが演じたり演奏したりできる作品の一覧です。
- 彼女のレパートリーにはクラシックだけでなくジャズも含まれる。
- その俳優は幅広い役柄をレパートリーとして持っている。
- オーケストラのレパートリーが年々増えている。
3-2. 日常会話・ビジネスで使う
日常では「できることの幅」「得意な種類」という意味で使われます。
- 料理のレパートリーを増やしたい。
- 彼のトークのレパートリーは本当に豊富だ。
- プレゼンのレパートリーをいくつか用意しておくと安心だ。
- 挨拶の仕方にもいくつかレパートリーを持っていると便利。
このように、「できる種類の幅」「持っているパターン」という意味で使うのが一般的です。
4. 「レパートリー」の使い方を表す構文
レパートリーは「〜が多い」「〜が少ない」「〜を増やす」などの形で使われます。
- レパートリーが多い/豊富だ: 得意分野が多い。
- レパートリーが少ない: できることが限られている。
- レパートリーを増やす: 新しいスキルやパターンを身につける。
例文:
- 献立のレパートリーを増やしたいから新しいレシピ本を買った。
- 接客トークのレパートリーが少ないと、対応に困ることがある。
5. 「レパートリー」の類義語・言い換え表現
| 言葉 | 意味 | 使われる場面 |
|---|---|---|
| 得意分野 | 得意なスキル・専門領域。 | ビジネス・学問など。 |
| 持ちネタ | 芸人や話し手が持つ話題・表現。 | カジュアル・お笑いなど。 |
| 引き出し | 使える知識や経験のバリエーション。 | ビジネス・日常。 |
| バリエーション | 種類の多さ・変化の幅。 | 日常会話・料理・商品説明など。 |
| スキルセット | 持っている技術の組み合わせ。 | ビジネス・IT分野。 |
たとえば、「料理のレパートリーを増やす」は「料理のバリエーションを増やす」とも言い換えられます。
6. 「レパートリー」と「バリエーション」「ジャンル」の違い
| 言葉 | 意味 | 違い |
|---|---|---|
| レパートリー | できる・演じられる内容の一覧。 | 個人や団体の能力の幅を示す。 |
| バリエーション | 同じものの中での変化・種類。 | 「パターンの違い」を強調。 |
| ジャンル | 分類・分野。 | 分け方の種類を指す。 |
つまり、「レパートリー」は「自分が持っている技やできる範囲」を表す言葉です。
7. 英語での「repertoire」の使い方
英語でも “repertoire” は「できることの一覧」「演奏できる作品の集まり」という意味で使われます。
- Her repertoire includes classical and pop songs.(彼女のレパートリーにはクラシックとポップが含まれる。)
- You should expand your repertoire of skills.(スキルのレパートリーを増やしたほうがいい。)
ビジネスでは “range” や “collection” などに言い換えることも可能です。
8. 使うときの注意点
- カタカナ語のため、フォーマルな文書では「得意分野」「持ち技」などに言い換えると自然。
- 「レパートリーが広い」と「多い」は同じ意味だが、前者のほうが自然。
- 文脈によっては軽い印象になるため、公的文書では使いすぎに注意。
9. まとめ
「レパートリー」とは、自分ができること・得意とする内容・持ちネタの集まりを意味する言葉です。
もともとは芸術の世界で使われていましたが、今では料理・会話・ビジネススキルなどあらゆる分野に使われています。
日本語では「得意分野」「引き出し」「バリエーション」などに言い換えられ、自分の幅を示す柔軟な表現として親しまれています。
