フレンチや洋食のレシピでよく見かける「ラぺ」と「マリネ」。どちらも野菜や魚を調味液に漬ける料理ですが、具体的にどう違うのでしょうか?本記事では、それぞれの特徴や作り方の違い、適した食材や使い分けのポイントを詳しく解説します。美味しく作るコツも紹介するので、料理の幅を広げたい方はぜひ参考にしてください!

1. ラぺとマリネの基本的な違い

ラぺとは?

「ラぺ(râpé)」とは、フランス語で「すりおろす」「千切りにする」という意味を持つ言葉です。料理では、主に千切りにした野菜をドレッシングなどで和えたサラダのことを指します。特に有名なのが**「キャロット・ラぺ」**(千切り人参のサラダ)で、フランスのビストロや家庭で親しまれています。

【ラぺの特徴】
• 野菜を千切りにするのが基本
• 加熱せずに調味料で和える
• 酸味のあるドレッシングを使うことが多い
• すぐに食べられるが、少し置くと味がなじんで美味しくなる

【ラぺに適した食材】
• 人参(キャロット・ラぺ)
• 大根(和風アレンジも可能)
• ズッキーニ
• セロリ

マリネとは?

「マリネ(mariné)」は、フランス語で「漬け込む」という意味を持つ言葉です。食材を酢やオイル、スパイスなどを使った調味液に一定時間漬け込み、味をなじませる調理法を指します。魚や肉、野菜など幅広い食材に使えます。

【マリネの特徴】
• 食材を調味液に漬け込むのが基本
• 生のまま、または軽く加熱して作る
• 漬ける時間によって味が変化する
• 酢やレモン汁などの酸味+オイルを使うことが多い

【マリネに適した食材】
• 魚介類(サーモン・白身魚・エビなど)
• 肉類(鶏むね肉・牛肉のタタキなど)
• 野菜(玉ねぎ・パプリカ・トマトなど)

2. ラぺとマリネの作り方の違い

ラぺの基本レシピ(キャロット・ラぺ)

【材料】
• 人参 … 2本
• オリーブオイル … 大さじ2
• レモン汁 … 大さじ1
• 塩 … 少々
• こしょう … 少々
• はちみつ … 小さじ1(甘めが好みなら)

【作り方】
1. 人参を千切りにする(スライサーを使うと楽)。
2. ボウルにオリーブオイル、レモン汁、塩、こしょう、はちみつを入れてよく混ぜる。
3. 千切りにした人参を加えて、しっかり和える。
4. すぐに食べても美味しいが、30分ほど置くと味がなじんでより美味しくなる。

マリネの基本レシピ(サーモンのマリネ)

【材料】
• サーモン(刺身用) … 200g
• 玉ねぎ … 1/4個
• レモン汁 … 大さじ2
• オリーブオイル … 大さじ1
• 塩 … 少々
• こしょう … 少々
• ディル(お好みで)

【作り方】
1. サーモンを薄切りにする。
2. 玉ねぎを薄切りにし、水にさらして辛味を抜く。
3. ボウルにレモン汁、オリーブオイル、塩、こしょうを入れて混ぜる。
4. サーモンと玉ねぎを調味液に漬け込み、冷蔵庫で30分~1時間ほど寝かせる。
5. お皿に盛り、お好みでディルを添える。

3. ラぺとマリネの使い分け

どんなときにラぺを使う?

• さっぱりとした副菜がほしいとき
• 野菜を手軽にたくさん食べたいとき
• 短時間で作りたいとき(すぐ食べられる)

どんなときにマリネを使う?

• 魚や肉に味をしっかり染み込ませたいとき
• 作り置きのおかずがほしいとき
• おもてなし料理を作りたいとき

4. ラぺとマリネの応用レシピ

和風アレンジ「大根とツナのラぺ」

【材料】
• 大根 … 1/3本
• ツナ缶 … 1缶
• ごま油 … 大さじ1
• 酢 … 大さじ1
• 醤油 … 小さじ1
• 白ごま … 適量

【作り方】
1. 大根を千切りにする。
2. ボウルに調味料をすべて混ぜ、大根とツナを和える。
3. 10分ほど置くと味がなじんで美味しい。

イタリア風「カプレーゼ風トマトのマリネ」

【材料】
• トマト … 2個
• モッツァレラチーズ … 100g
• バジル … 適量
• オリーブオイル … 大さじ2
• バルサミコ酢 … 大さじ1
• 塩 … 少々
• こしょう … 少々

【作り方】
1. トマトを薄切りにし、モッツァレラチーズもカットする。
2. 調味料を混ぜ、トマトを30分ほど漬け込む。
3. お皿に盛り付け、バジルを添える。

5. 使う材料のバリエーション

ラぺに使う材料のバリエーション

ラぺは基本的に千切りにした野菜を使う料理ですが、さまざまな食材を活用することで、バリエーション豊かな味わいを楽しむことができます。ここでは、一般的なキャロット・ラぺ以外にも使用できる野菜や食材をご紹介します。

【人参以外の野菜】
• 大根:大根を千切りにして作る「大根ラぺ」は、シャキシャキとした食感が特徴で、さっぱりとした味わいになります。特に、和風のドレッシング(醤油やごま油)で和えると、和洋折衷の美味しいサラダが完成します。

• ズッキーニ:ズッキーニを生で千切りにして使用することで、みずみずしく軽やかなサラダが作れます。オリーブオイルとレモンでさっぱりと味付けすれば、夏にぴったりの爽やかな一品になります。

• セロリ:セロリの独特の香りを活かして、さっぱりしたサラダに仕上げることができます。セロリの風味が強いので、ドレッシングはシンプルにしてセロリの味を引き立てると美味しくなります。

【果物の使用】
• リンゴ:リンゴを千切りにしてラぺに加えると、フルーティーな甘みが加わり、食感の変化も楽しめます。特に、シナモンや蜂蜜を加えて甘めのドレッシングにすることで、デザート感覚で楽しむことができます。

• パイナップル:パイナップルの酸味と甘みがアクセントになり、特に夏の暑い時期にぴったりの爽やかなラぺになります。ドレッシングは、オレンジジュースやライムジュースを使うと、フルーティーな味わいが楽しめます。

【ナッツや種のトッピング】
• クルミやアーモンド:ラぺの仕上げに刻んだナッツを加えることで、カリッとした食感と香ばしさがプラスされ、栄養価もアップします。特に、キャロット・ラぺにクルミを加えると、リッチでコクのある味わいに仕上がります。

• ヒマワリの種やかぼちゃの種:ナッツが苦手な場合や、軽い食感を求める場合には、ヒマワリの種やかぼちゃの種をトッピングに使うと良いでしょう。これらは健康にも良いとされており、サラダをよりヘルシーにしてくれます。

【ドレッシングのバリエーション】
• ヨーグルトベース:ヨーグルトをベースにしたドレッシングを使うと、クリーミーでまろやかな味わいに仕上がります。特に、レモン汁やハーブを加えて、爽やかな風味を加えることができます。

• マスタードドレッシング:マスタードを加えたドレッシングは、少しピリッとしたアクセントが効いており、特にキャロット・ラぺに合います。マスタードとオリーブオイル、白ワインビネガーを使うと、シンプルながらも風味豊かなドレッシングになります。

マリネに使う材料のバリエーション

マリネは、肉、魚、野菜など幅広い食材に使える調理法です。さまざまな食材をマリネに使うことで、それぞれの特徴を活かした美味しい料理が楽しめます。以下に、マリネに使うことができる食材をいくつかご紹介します。

【魚介類】
• サーモン:サーモンはマリネに使うと、脂の乗った旨味が調味液に染み込み、風味豊かな一品に仕上がります。レモンやオリーブオイルでシンプルにマリネするのが定番ですが、ディルやマスタードを加えるとより風味が引き立ちます。

• エビ:エビのマリネは、軽やかで食欲をそそる料理です。レモン汁やガーリック、ハーブを使ったマリネ液に漬け込むと、エビの甘みが引き立ちます。さらに、グリルで軽く焼き上げると香ばしさが加わり、美味しさがアップします。

• 白身魚:白身魚はマリネにぴったりな食材で、軽やかで繊細な味わいが特徴です。オリーブオイルやレモン汁、酢でマリネし、少し時間をおくことで、魚に調味料がよく馴染みます。特にタラやヒラメなどの魚がマリネに適しています。

【肉類】
• 鶏肉:鶏肉はマリネ液をしっかりと吸収し、柔らかくジューシーに仕上がります。レモン汁やヨーグルトを使ったマリネ液に漬け込むことで、鶏肉がふっくらとした食感に仕上がります。特に鶏むね肉にオススメです。

• 豚肉:豚肉もマリネに使うことで、味が染み込み、さらに美味しくなります。特に豚肩ロースや豚バラ肉は、長時間マリネしても柔らかく仕上がります。バルサミコ酢やハーブを使ったマリネ液で、豚肉に深い味わいを加えましょう。

【野菜】
• パプリカ:パプリカはマリネにすると、甘みが引き立ち、色鮮やかな料理が作れます。レモン汁やオリーブオイル、ガーリックを加えたマリネ液で漬け込むと、しっかりとした味が楽しめます。

• アスパラガス:アスパラガスを軽くマリネすると、シャキシャキとした食感を保ちながら、調味料が染み込みます。オリーブオイルとレモン汁でシンプルに仕上げるだけでも美味しくなります。

さまざまな食材を使ってラぺやマリネをアレンジすることで、毎日の食卓がもっと楽しくなります。季節に合わせた食材や好みに合わせて材料を変え、オリジナリティ溢れる料理を作りましょう!

6. まとめ

「ラぺ」と「マリネ」はどちらも酸味の効いた料理ですが、ラぺは千切りにした野菜を和える調理法、マリネは食材を漬け込む調理法という違いがあります。どちらも簡単に作れて、日常の食事やおもてなしにぴったりです。ぜひ、シーンに合わせて使い分けてみてください!

おすすめの記事