「ご協力を賜り」というフレーズは、相手からの支援や協力を受けることに対する感謝と敬意を示すときに使われる表現です。ビジネスシーンで相手の協力に対してお礼を述べたり、さらなるサポートをお願いするときなどに重宝します。「賜る」は「頂く」や「受ける」をよりかしこまった表現で言い換えたものです。「ご協力を賜り、誠にありがとうございます」のように使うことで、相手を敬いながら深い感謝の意を伝えることができます。本記事では、このフレーズの具体的な意味や使い方、例文を分かりやすく解説します。
1. 「ご協力を賜り」の基本的な意味
「賜る」は「頂く」「受ける」の謙譲語であり、相手から何かを受け取ることに対して深い敬意を払う表現です。「ご協力を賜り」は「あなたからの協力を敬意をもって頂きました」というニュアンスを含み、相手に対して感謝と礼儀を示すフレーズとして使われます。
- ご協力 … 相手の協力という行為を敬語で表す言葉
- 賜る … 目上の人から、または大切に思う相手から何かを頂くという敬意表現
合わせて使うことで「目上の相手や大切な取引先からの協力に感謝している」という意味を強調できます。
2. 使われるシチュエーション
1. ビジネス文書やメールでのお礼
- プロジェクトやキャンペーンなどで相手の協力を得た場合
- 取引先や関係各所からサポートを受けたときの感謝を表明するとき
2. 式典やスピーチでの挨拶
- 会社の式典やイベントで、協力者や支援者へ感謝を述べるとき
- 講演などで、多くの人が支えてくれたことに対して改まった言い方をしたい場合
3. マニュアルやガイドラインの冒頭
- 社内規定などの冒頭で「皆様のご協力を賜り、円滑な運営を目指しております」といった形で使うと、フォーマル度が上がります
3. 使い方の例文
3-1. ビジネスメール
件名: プロジェクト完了のお礼
本文:
株式会社〇〇 〇〇部 〇〇様
平素より大変お世話になっております。△△部の□□と申します。
先日ご協力を賜りました新規プロジェクトですが、本日無事に完了いたしました。
これもひとえに皆様のお力添えがあってこそと、心より感謝申し上げます。
今後とも変わらぬご支援のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。
3-2. 挨拶やスピーチでの口頭表現
「本日は多くの皆様にご協力を賜り、誠にありがとうございました。このプロジェクトを成功へ導けたのは、皆様のご尽力の賜物であると考えております。今後とも、引き続きお力添えを賜りますよう、よろしくお願いいたします。」
「今回のイベント運営にあたりましては、数多くの企業様よりご協力を賜り、心より感謝申し上げます。皆様のサポートがなければこの成功は成し得ませんでした。」
4. 言い換え表現との比較
- **ご協力いただき**
「ご協力を賜り」と同様に相手の協力に対して感謝を示す表現。ただし「賜る」はさらに改まった印象を与えるため、よりフォーマルな場面では「ご協力を賜り」を使うほうがよい場合もあります。
- **ご支援を頂戴し**
「ご支援を賜り」とほぼ同じ意味で使えますが、「頂戴し」はややくだけたニュアンスが加わる印象です。
- **お力添えをいただき**
相手の助力や支援を表現するときに使いやすいフレーズ。相手の労力を強調する際に向いています。
5. 使うときの注意点
1. 繰り返し使いすぎない
「ご協力を賜り」を文章やスピーチで頻用すると、かえって読みづらい印象を与える場合があります。要所で使い、他の表現（例: ご支援いただき）とも組み合わせると自然です。
2. シチュエーションに合わせる
あまりにもかしこまった言い回しなので、フランクな社内連絡や友人同士のプロジェクトなどでは不自然な場合があります。相手との関係性や場の雰囲気を見極めましょう。
3. 賜るの主語は自分
「賜る」は自分が受け取る立場という意味合いがあります。使う場面では自分や自社が協力を受ける側であることを明確にする必要があります。
6. まとめ
「ご協力を賜り」は相手のサポートや支援を得られたことに深い感謝を示したい際に使われる、ビジネスシーンでの丁寧表現です。単なる「ご協力いただき」よりも、より改まった敬意を伝えられます。
- 上司や取引先など、目上の相手へのお礼や挨拶で使われる
- 式典やスピーチなどでも、「たくさんのご協力を賜り」のように盛り込むとフォーマルさが増す
- 使いすぎると固い印象を与えるため、適度にほかの表現も織り交ぜる
正しく活用すれば、相手への尊重と謝意が伝わりやすくなり、ビジネス上の信頼関係構築に役立ちます。状況や関係性に合わせてうまく使い分けてみてください。
