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アジア新興国で流行のアパレルブランドとSNSマーケティングの活用事例

現在アジア市場は中国やインドに限らず、インドネシアやタイの経済成長によって大きな注目を集めています。しかしアジアとはいえ、多様な文化にどう対応するかが難しい市場でもあります。そこで今回の記事では、アジアにおけるアパレルブランドのSNSマーケティングに焦点を当て、3つのブランドによる事例をご紹介します。

1. アジアのアパレル市場について

はじめに、アジアのアパレル市場についてご説明します。アジア圏におけるアパレル市場には、他の地域と比較して5つの特徴があります。

経済成長による市場拡大

1つ目は経済発展による市場の成長です。ASEAN主要6カ国の2022年における実質GDPの成長率は、インドネシアでは5.3%、タイでは2.6%、マレーシアでは8.7%、シンガポールでは3.6%、フィリピン7.6%、ベトナム8.0%と、1.7%の日本と比較すると非常に高くなっています(経済産業省)

これに伴い、中間所得層や富裕層が増加することで消費の拡大が期待できます。加えて、特にASEANの国において若年層(15歳~34歳)の割合が多いため、アパレル市場は拡大傾向にあります。経済産業省が発表したASEAN各国の医療国際展開カントリーレポートによると各国における世帯ごとの中間所得層の割合は増加傾向であることがわかります。

文化の多様性

2つ目の特徴は文化の多様性です。国同士はもちろん、同じ国、例えばインドネシアには300以上の民族がいるため(外務省)、地域単位でも文化が異なります。そのため国や地域、狙うターゲット層に適切な要素を組み込む必要があります。

ECの拡大

経済成長、また新型コロナウイルスによるパンデミックによってインターネットの利用が拡大しました。国際電気通信連合(ITU)によるとアジア・パシフィック地域における個人のインターネット普及率は2019年の48.9%から2022年では64.3%まで伸びています。さらにアジア圏は人口における若年層の割合が多いため、ECの拡大が急速に進んでいます。

サステナビリティ

近年では、サステナビリティへの配慮も大きな特徴になっています。2021年に電通が行った「サステナブル・ライフスタイル意識調査2021」では、ベトナムやインドネシア、フィリピンなどにおいて社会活動の高関与者が約80%ほどなのに対し、日本やドイツ、イギリスは40%前後に留まっています。これらの国は、日常生活における環境配慮を行っている人の割合も多く、サステナビリティへの意識が高いと考えられます。

2. アジア圏のSNSマーケティング事例3選

事例1:Love, Bonito


出展:https://www.lovebonito.com/intl

ブランド概要

Love, Bonitoは2005年にシンガポールで誕生したレディースアパレルブランド。現在はシンガポールだけでなく、インドネシアやマレーシアなどの様々な国で店舗を展開しているグローバルブランドです。2022年8月には日本でポップアップストアを開催しました。普段使いできる商品からドレスアップできる商品まで、幅広く扱っています。

SNSマーケティングについて

Love, Bonitoが行ったSNS戦略として、消費者との信頼関係構築が挙げられます。主に3つの方法を通して消費者との距離を縮め、ブランドの支持を集めました。
1つ目はコミュニティの作成です。#LBcommunityというハッシュタグと、このハッシュタグ専用のインスタグラムアカウントを作成し、ブランドメッセージに共感するコミュニティを形成しました。
2つ目に、SNS上で投票やアンケートを行うことで、消費者の率直な意見を取り込んでいます。
3つ目は、メッセージの発信です。アパレルブランドでありながら、インスタグラムでは日々のモチベーションとなる言葉や季節ごとの挨拶、YouTube上では女性に注目を当てたシリーズ動画の作成などを行っています。
このような戦略を通して、一時的な消費者でなく、ブランドのファンを作ることに注力しているのが特徴です。

事例2:Pomelo Fashion

出展:https://www.pomelofashion.com/us/en/

ブランド概要

Pomelo Fashionは2013年にタイで誕生。ローカルブランドから世界的なブランドまで幅広い商品を取り扱い、毎週数百もの新商品を入荷しています。さらに40以上の国へ配送。Pomelo独自のサービスとして、オンラインで商品を注文し店舗で試着してから購入を決めることができる『Tap.Try .Buy.』を提供しています。環境問題への配慮に注力しているのも特徴です。商品を検索する際に、サステナビリティに関する項目から、素材や製造過程を選択することができます。

SNSマーケティングについて

Pomelo Fashionが行ったSNSマーケティングの特徴として、文化への理解に基づいた戦略が挙げられます。CMOのJean Thomasによると(引用元)、東南アジアではソーシャルメディアの存在感が大きく、モバイルファーストの傾向も強いため、Pomelo FashionではInstagramとTikTokのモバイルコンテンツに注力しているそうです。そこでSNSの強みを活用を活用した以下3つの施策を実行しています。

1つ目は、定期的なライブ放送。パンデミック渦において、Pomelo Fashionは自社アプリ内で商品を購入可能にしたライブ放送を毎週行っていました。過去1年間で300以上ものライブ配信を行った結果、コンバージョン率が4~15倍になったそうです。

2つ目は文化理解に基づいた大規模インフルエンサーの起用も1つの特徴です。タイの国内市場では文化的な要因から影響力が大きい人を好む傾向があるそうです。加えてKey Opinion Leadersと呼ばれる大規模なインフルエンサーは、東南アジアにおいてはコストが低いため、Pomelo Fashionは大規模インフルエンサーの起用を積極的に行っています。

3つ目は一般人によるコンテンツの有効活用です。Pomelo Fashionは大規模インフルエンサーだけでなく、消費者の投稿を積極的に活用しています。さらに消費者のフィードバックや新しいトレンドを見つけるためにも使用しているそうです。

事例3:Erigo


出展:https://erigostore.co.id/

ブランドの概要

Erigoは2011年に作られたインドネシアのファッションブランドで、主にストリートウェアを扱っています。ストリートウェアとインドネシアの民族衣装に影響を受けたスタイルが注目を集め、2021年にはニューヨークファッションウィーク2022へ参加しました。

SNSマーケティングについて

Erigoはラマダン中の期間を狙ったSNSマーケティングを実施しました。Instagram上で、ユーザーごとにおすすめのアイテムを提案するため、消費者がERIGOのスタイリストとDM上で連絡を取ることができるキャンペーンを展開しました。顧客がインフルエンサーなどが投稿した広告に反応すると、直接DMに接続され、会話の最後にShopee上のERIGOの商品ページへ誘導されます。このキャンペーンは今までERIGOに関わったことがないZ世代とミレニアル層の男性が対象。2021年4月から5月までの7週間にわたりました。これまでERIGOに関わったことがないとされる男性を主なターゲットとしています。結果として6週間で8,700人がこのキャンペーンを利用しました。DMを使用した顧客のカート率は、そうでない顧客と比較して1.9倍に増加し、ブランドの知名度は3.5ポイント向上したそうです。

3. 共通点

以上3つのブランドによるSNSマーケティングの事例を通して2つの共通点が考えられます。

文化理解に基づく地域ごとの戦略

どのようなインフルエンサーが有効か、どのようにセールを行うか。文化への深い理解を元にした戦略を考えることでより注目を集めやすく、かつ消費者の共感を呼ぶことで成功につながったと考えられます。

ブランドに関連したアクティビティへの参加

Love, Bonitoによるコミュニティの形成や、Pomelo Fashionの自社アプリ内でライブ放送や消費者の投稿を使用した宣伝は消費者とブランドの繋がりを強くします。投票やアンケートを通じて消費者の意見を取り入れ、コミュニケーションを促進していることも特徴的です。これにより、ただのブランドでなく、同じ価値観を共有する存在になっているのも共通点として考えられます。

4. まとめ

3つのアジア発アパレルブランドによるSNSマーケティングの事例を見てみました。急激に成長しているアジア市場において、多様な文化とは何か、そして消費者が求めているものは何かを理解した上で、衣服を提供するアパレルブランドとしてだけでなく、共感できるような存在でいる必要があるように感じます。

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