ビジネスメールでは、ひとつの文面で複数の話題を扱うことが珍しくありません。その際、話題の切り替えをスムーズに行う表現としてよく使われるのが「別件ですが」です。便利な一方で、使い方を間違えると相手に唐突な印象を与える恐れも。本記事では「別件ですが」の意味、正しい使い方、注意点、言い換え表現までを詳しく解説します。

1. 「別件ですが」の意味と使う場面

「別件ですが」は、「いま話している内容とは異なる件についてお伝えします」という意味を持つビジネス表現です。主に以下のような場面で使われます。

1-1. 一通のメールで複数の要件を伝えるとき

例えば、報告とお願いごとをひとつのメールで送る場合に、「別件ですが」と入れることで、内容が切り替わることを相手にわかりやすく示すことができます。

1-2. メインの話題に付随する補足情報を伝えるとき

例えば打ち合わせの日程調整の後に、「別件ですが、先日お渡しした資料についてご確認ください」といった具合に、補足的な内容として別の話題を添える際にも有効です。

2. 「別件ですが」の基本的な使い方と例文

メールで「別件ですが」を使うときは、文脈の切り替えが明確になるように工夫することが大切です。以下にビジネスメールでよくある例文を紹介します。

2-1. 用件の区切りに使用する例

「先ほどのご依頼については、〇〇日までに対応いたします。
別件ですが、来週の会議について再調整のご相談がございます。」

このように、段落を分けて使うと読みやすさが増します。

2-2. メールの文末で補足事項を加える例

「本件につきましては、取り急ぎご報告までとなります。
別件ですが、来月の社内研修に関するご案内も近日中にお送りします。」

2-3. 複数回使う場合は工夫が必要

「別件ですが」を繰り返し使うと冗長になるため、2件以上の用件を伝える場合は、あらかじめ「ご連絡事項は以下の通りです」などとまとめて記載するのが効果的です。

3. 使用時の注意点

便利な「別件ですが」も、使い方によっては相手に失礼な印象を与えたり、話の流れが分かりにくくなったりすることがあります。

3-1. 本題が明確に終わってから使う

本題と別件の境界が不明瞭だと、読み手が混乱します。本題をしっかりと締めくくってから別件に入るように心がけましょう。

3-2. 短く切りすぎない

「別件」とだけ表現するのは、ややそっけなく感じられる可能性があります。「別件ですが」「別件として」「別途」など、文全体のトーンに合わせて丁寧な言い回しを使いましょう。

3-3. 一通のメールで多用しすぎない

何度も「別件ですが」を使うと、かえって読みづらくなることがあります。要件が多いときは、箇条書きや見出しを使って整理しましょう。

4. 「別件ですが」の言い換え表現

より柔らかく、あるいは場面に応じた言い換え表現を使うことで、文章の印象をコントロールすることができます。

4-1. 丁寧な印象のある言い換え

* 「話題は変わりますが」
* 「なお、ご参考までに」
* 「ちなみに」
* 「加えて申し上げますと」

4-2. カジュアルな言い換え(社内向け)

* 「それはそれとして」
* 「ところで」
* 「念のためですが」

5. 英語での表現方法

英語でも話題を切り替える際に「別件ですが」と似た表現があります。

5-1. フォーマルな表現

* “On a different note,”
* “Separately,”
* “In addition,”

5-2. カジュアルな表現

* “By the way,”
* “Just to add,”

例文:
“On a different note, please confirm your availability for next week.”

6. まとめ

「別件ですが」は、ビジネスメールにおいて話題の切り替えを明確にし、相手の理解を助ける便利な表現です。ただし、使い方を誤ると唐突に感じられたり、読み手に負担をかけたりする恐れもあるため、文脈の整理や丁寧な言い回しを意識することが大切です。

メール文面の構成を工夫しながら、「別件ですが」を適切に活用することで、相手に配慮のある伝え方ができるようになります。相手の立場や関係性に合わせて、言葉を選んでいきましょう。

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