【完全版】美容・アパレルブランドのインフルエンサーマーケティング徹底解説

化粧品・コスメブランドやアパレル関連企業のマーケターや広告・PR会社に勤務している人であれば、美容・ファッション領域でインフルエンサーマーケティング施策を検討したことのある人も多いのではないでしょうか。この記事では、インフルエンサーマーケティングプラットフォーム【みんなでPR】を運営する弊社が、美容・アパレル領域におけるインフルエンサーマーケティングの実践方法について解説します。

なぜ美容・アパレルブランドの販促にインフルエンサーマーケティングが有効なのか

まず初めに、なぜ美容・アパレル領域でインフルエンサーマーケティングが盛んに行われているのか解説していきたいと思います。インフルエンサーキャスティング領域で有名なFind Modelを運営する上場企業ソーシャルワイヤーの2020年度の決算書を見ると、案件ベースでの約半分が美容・アパレル領域であることが分かります。

これはもちろん、Find Modelが元々インスタグラマーのキャスティングをメインとした事業であったことから、美容やファッションへの関心度が高い若年層女性向けの商材に強みがあったことも大きな理由の一つと考えられます。

一方、デジタルマーケティングを取り巻く市場環境の変化で下記のような理由でも、美容・アパレルブランド様からインフルエンサーマーケティングが指示されているものと思われます。

① 若年層のテレビ離れ
② 赤文字系雑誌の低迷
③ Z世代を中心とした、広告よりも口コミを信用する購買プロセスへの変化
④ Googleの検索アルゴリズムのYMYL/E-A-T重視による、女性向けキュレーションサイトの苦戦

①②については、日々のニュースなどで耳にすることも多いのではないでしょうか。
また、③については2020年頃からZ世代の購買行動について注目が集まるようになっており、その調査結果によれば日々大量に触れる情報の中で、広告よりも親や友人・信頼するインフルエンサーなどの口コミを重要視するという傾向があるとされています。

最後の④については、少々専門的な話になりますが、2017年頃からGoogleの検索アルゴリズムがE-A-T(Expertise(専門性)・Authoritativeness(権威性)・Trustworthiness(信頼性)の頭文字)を重要視するようになり、大量かつ幅広いジャンルのコンテンツを有する女性向けキュレーションサイトの評価が全体的に下げられてPVが伸び悩むということが起きています。

また同様に、YMYL(Your Money, Your Life)と呼ばれる、お金や健康に関わる領域については特に、情報の発信元や記事の執筆者の信用力をGoogleの検索アルゴリズムが非常に厳しくチェックするようになっていると言われています。化粧品やコスメに関する情報はある意味で医薬品に近い領域の情報なので、個人ブロガーやWebメディア運営会社が安価に作成したコンテンツは検索エンジンに低く評価されてしまうという事例が多く報告されています。

そこで、検索エンジンとは別のチャネルであり、写真や動画などの視覚情報も併せて口コミを伝えることができるSNSで、影響力のあるインフルエンサーに商品をPRしてもらうマーケティング方法が今注目されています。

コスメ・化粧品ブランドのインフルエンサーマーケティング

上述の通り、コスメ・化粧品ブランドはインフルエンサーマーケティングで最も多くPR投稿される商品ジャンルになっています。インスタグラムがまだ日本で広く浸透していない2010年代前半くらいまでは、コスメ・化粧品ブランドのSNSマーケティングではTwitterが使用されるケースが多く、商品をプレゼントするキャンペーンを打ち出して情報拡散・フォロワー獲得を狙うマーケティング手法が用いられていました。

しかし、日本でもインスタグラムが広く利用されるようになると、化粧品・コスメブランドのSNSマーケティングの中心はインスタグラムへと移行し、公式アカウントの運用と併せてインスタグラマーを起用した商品PRを活用するブランドが増えてきました。女性の方であれば、特定のブランドのPR投稿が急にたくさんインスタグラムに流れてくるようになったという経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか?

実際のところ、有名なD2C化粧品・コスメブランドでインスタグラムのアカウント運用に注力している会社でも、フォロワーが5万人もいれば大変な成功例に分類されることでしょう。

その一方で、化粧品・コスメのレビュー投稿で熱狂的な支持を集める「美容インフルエンサー」の中には数十万人ものフォロワーを有する人も多く存在し、彼・彼女らに投稿PRしてもらう方が、多くのユーザーにリーチすることができるものと考えられます。また、フォロワー数が数千~数万人程度の「マイクロインフルエンサー」はコアなファンが多く、商品をPRした際にエンゲージメント率が非常に高くなる傾向も知られており、この辺りも吟味した上でまずは幅広くインフルエンサーのキャスティングを行うのがおすすめです。

ファッション・アパレルブランドのインフルエンサーマーケティング

ひと昔前は有名アパレルブランドがプロモーションなどで起用するのは国民的女優や有名なモデルという印象があったかもしれませんが、現在ではUNIQLOをはじめとしたファストファッションブランドもインフルエンサーを積極的に起用しています。また、現場の販売員にインスタグラムアカウントを運用してもらってある種のインフルエンサーとして情報発信してもらう試みを行っているブランドも増えてきています。

アパレルブランドの場合にはインフルエンサーPRで使われるSNSは主にインスタグラムでしたが、最近では若年層を熱中させているTikTokで10台のインフルエンサーを起用したPRを打ち出す企業も増えてきています。一方、TikTokの「流行りの音楽に合わせて踊る」というコンセプトや、韓国アイドルの曲がしばし人気を集めていることから、新興の韓国系ファッションブランドなどのPR投稿の比率が他のSNSと比べて多い印象を受けます。

もし自社で運営しているアパレルブランドでインフルエンサーマーケティングを検討している場合には、インスタグラマーに商品提供してPR投稿してもらうと同時に、ブランドのインスタグラムアカウントをタグ付けしてもらう方法が非常に有効的であるといえるでしょう。

実のところ、初めてインフルエンサーマーケティングを試すブランドが目下のコンバージョンレート(CVR)だけ注視し、URLからトラッキングできた売上がPR報酬に見合っていないという理由でインフルエンサーマーケティング施策を打ち切ってしまうケースを多く耳にします。

しかし、現実的には、SNSでたまたま目にしたファッションブランドをその場ですぐに購入するというケースは非常に稀であると考えられます。そこで、インフルエンサーによる商品PRで認知・興味を獲得した後でブランドのインスタグラムアカウントをフォローしてもらい、中長期的に情報を発信してブランドのファンになってもらった上で購入してもらうという販促方法で成功を収めているD2Cアパレルブランドが多く存在するようです。

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